短編

□Pony Tail Lover
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弾けるような眩い笑顔に
ゆらゆらと揺れるポニーテール。



表情はコロコロ変わって
そのひとつひとつが
うちの心を掴んで離さない。





・・・握手会というイベントは
そんな玲香さんを間近で見れる
またとない機会。



小休憩になったので
玲香さんのレーンに向かう。





到着して、その様子を目の当たりにすると
やっぱり心のどっかで
いいなぁ…と思ってしまう自分がいる。



両想いのはずなのに、
どこか片想いしてるような…



でも、玲香さんが休憩になって、
うちにだけ見せる
屈託のない安心しきった笑顔を見た時の
優越感は計り知れない幸福感をくれる。







「おわったぁ〜!!」


『ふふつ、おつかれさまです。』


「おぉ〜、咲乃もおつかれぇ〜ぃ!!」


『一緒に帰りましょうか』


「お〜ぅ!」







ちょっとした何気ない会話でも、
玲香さんを独り占めしてるのが嬉しい。



春になったとはいえ、
風が吹くとまだ少し冷えるこの時期。


早く家に帰りたいけど
こうやって好きな人と一緒なら
たまにはゆっくり帰るのもいいかなって。











『ふぅ、ただいま。』


「おっじゃま〜っ!」


『玲香さん、おかえりなさい。』


「へっ?、、あぁっ、ただいま!」







半同棲に近いから帰ってきたら
ただいま。って言ってほしいけど…



・・・気にしてるのうちだけなのかなぁ?



手洗いを終えて、振り返ると
まだまだ寒いねぇ〜なんて言いながら
手をすりすりしてる玲香さん。



身体の揺れと連動して
ゆるいウェーブがかった尻尾のように
ふんわり束ねられた髪が動いている。



玲香さんがポニーテールってのも珍しくて
ついつい、触りたくなる。







『可愛いですね、ポニーテール。』


「そぉ?、、へへっ♪、ほめられちゃった。」


『ホントに似合ってます、ポニーテール…』







個人的に長い髪のポニーテールが好き。



しかも、大好きな玲香さんがしてるから…







「おわっ⁉…咲乃〜、どしたの〜。」







思わず抱きついちゃった。



嬉しそうに背中に回される手。
あったかい玲香さんの体温。



ちょっと冷えてる室内にはちょうどいい
玲香さんの温かさが心地いい。







「・・・なにかあった?」


『………いえ。』







衝動的に抱きついちゃったし、
うちの好みドストライクな玲香さんを
早く抱きたい…って思ったなんて、
流石に言えない。



でも、今日くらいはいいですよね?







「えっ…?、、ちょ、ちょっ、、咲乃??」







いつもは玲香さんが寝室に誘うけど、
今日ばかりはうちが手を引っ張って寝室へ。



びっくりしながらもついて来てくれるので、
ある程度は期待してるのかな?



ベッドの前に着いたら、
玲香さんの両肩を抑えて
少し乱暴に押し倒した。



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