短編

□March
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3年間という長い様で短い期間の中で
様々な人と出会い、成長していく高校生活。



出会いがあれば、別れもある。



新たな場への一歩を祝う門出。







卒業式







荘厳かつ粛々と執り行われていく中、
徐々に実感が沸き、涙を流す生徒が増えていく



在校生代表による送辞
生徒会長による答辞を聞きながら
色々あったなぁ〜と感慨に耽っていた。



そして、式は滞りなく終わり
先輩のリボンが欲しい後輩たちが
ハイエナの如く群がっている。



その様子を横目に
いつもなにかあったら来ていた屋上へ。







鉄柵にもたれかかりながら、
自販機で買った無糖の缶コーヒーを飲む。



軽く息を吐くと
微かに抜けるほろ苦い感覚と
視覚的に映える白く漂う熱。



元気溌剌でちょっとめんどくさい後輩と
人見知りな割に毒っ気のある小悪魔な後輩



そして、



真面目で律儀だけど初心な反応をする後輩。



未だになんでこんなに仲良くできたのかは
ホントに謎だし、
こんなに慕ってくれてたのかも分からない。



ただ、1つだけ言えることは
それは、うちのまだ短い人生の中で
とても貴重で、有意義で、
価値のある時間だったということ。



そんな、元気溌溂な後輩も
うちんとこのへにょへにょ野郎とくっつき、
人見知りさんも後輩の子とくっついた。



うちもめでたく、
真面目律儀ちゃんとそういう仲になった。



今頃、溌溂ちゃんは
へにょへにょ野郎と一緒にボロ泣きしてそう…



・・・・・だめだ、簡単に想像できる(笑)



としさぁぁぁんっ!!!

みほぉぉぉっっ!!!



・・・うん、近所迷惑にならないといいけど…







そうやって黄昏ていると、
ギィッと音を立てたドア。



息を切らしながらこっちに来たかと思ったら
勢いよく抱き着いてきた
可愛い後輩であり、恋人。







「はぁ…はぁ…、、探しましたよ・・・」


『ごめんごめん。
 最後に、ここの景色を見ておきたくて。』


「教室行ってもいなかったですし…
 下駄箱にはまだ靴、残ってましたし、、
 LINE送っても返信来なかったので・・・」


『・・・ごめん、切ったまんまだった。』


「・・・もぅ!」


「探しにきてくれて、ありがと。」







そんな意味も込めて、頭を撫でると
より抱き着いてきたから、
抱きしめ返すと声を震わせながら


卒業、おめでとうございます…


そう、祝辞を述べてくれた美玖。





じわりと濡れていく肩口の感覚に
より現実味が増した卒業したという事実。





優しめのトーンで名前を呼ぶと
まだ、目にいっぱいの涙を溜めた美玖が
顔を上げた。



そんな美玖が可愛くて、
ありがとうの意味も込めて
そっとキスをする。



キスをする際、必ず目を瞑る美玖。



目尻からは溢れた涙が伝い、
どこか美しささえあった。







『ありがとう、うちを好きになってくれて。』


「いえ、それは私のセリフです…」


『好きになるのはあっという間だったよ。
 こんなに魅力的だったんだから。』


「・・ふふっ、うれしいです。」


『うちは今日で卒業しちゃうけど
 明日からもまた、よろしくね?』


「…はいっ!」


















































あ、リボンあげる。

え、いいんですか!?

うん、あ〜、制服もあげるよ。

え、ぇ、、

多分、入ると思うけど…

いやいやいやっ、、制服はさすがに…

さみしくなったら着ればいいんだから。

うぅ〜……







・・・・・咲乃さんの匂いでいっぱい…







とりあえず着てみた美玖さんでした。



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