短編

□ Peacefulness
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忙しい毎日を送らせてもらってる中で、
マネージャーさんから言われた
1日丸々の休み。





家でゆっくり読書するのもいいけど
なんか気分的に
落ち着けるカフェでも探したいから
出かけようかな。





だいぶ肌寒くなってきたから
ちょっと厚着していこ。












少し足を延ばして
自宅からちょっと離れたところまで来ると
木々が生い茂って
ゆったりとした空気が流れ始めた。





30分ほど歩いていると
こじんまりとしてるけど
なんか目に留まった一軒のカフェ。





直感で、あ、ここいいかも…って思って
ドアを引くと
冷えた身体に嬉しい暖房。
鼻に抜ける
コポコポ沸くサイフォンから漂う珈琲の香り。
まったり流れる洋楽のレコードに
常連さん?だけの少し空いている店内に
当たりかもって思ってると…












『いらっしゃいませ。
 おひとり様ですか?』


「あ、はい。」


『分かりました。
 お好きな席におかけください。』


「じゃあ、あそこの角で。」


『了解です。
 ご注文が決まりましたら
 軽く手を挙げてください。
 伺いに参ります。』


「あ、分かりました。」












物腰柔らかで優しそうなオーナーさんで
このカフェのシステムを教えてくれた。





立て掛けてあったメニューを見ると
意外に豊富なのに
どれもリーズナブルな値段だった。





ちょっと恥ずかしかったから
ほんの少しの挙手だったのに
気づいてくださって、
お店に入った時から気になってた
珈琲の香りにつられて
オリジナルブレンドを頼んだ。





珈琲が来るまで読書をしようと
本を取り出すと
心なしかレコードの音が小さくなって
思わずカウンター席近くの厨房の方に
目を向けるとオーナーさんは
サイフォンから珈琲を注いでいた。





そして、運ばれてきた珈琲は
苦みの中に爽やかさのある
透き通った味だった。





珈琲を飲みながらの読書に没頭して
本を読み終えて1つ息を吐くと
自分がカフェにいることに気づいた。




ガラス窓から見える景色はうす暗くて
時間を確認すると18時過ぎ。





慌てて荷物をまとめてレジに向かうと…












『本、読み終わりましたか?』


「え、あ、はい。」


『ならよかったです。』


「あのっ…ごめんなさい。」


『あ〜、大丈夫ですよ?
 それよりもゆっくりできましたか?』


「はい、家にいる感覚に近くて…
 思わず没頭しちゃいました…」


『ならよかったです。』


「・・・え?」


『心休まるカフェを目指してますから。
 長居しすぎたとか、
 そういうことを気にしないで
 ゆったりとした時を楽しむ。
 それがうちのカフェですから。』


「そうだったんですね。」


『はい、300円、ちょうど預かりました。』


「また、来てもいいですか?」


『いつでもお待ちしております。』


「あ、えっと…」


『申し遅れました、咲乃と申します。』


「咲乃さん、また来ます!」


『はい、お気をつけて。』




















初めて入ったカフェは
すごく居心地がよくて
心休まるやすらぎを与えてくれた。
























さくら「あすぴーさん、どこいくんですか?」


「ん〜?、、いいから。」


さくら「はぁ〜い。」


「たまにはゆっくりするのもいいだろ」


さくら「そうですね。」


「ほら、ついたぞ。」


さくら「カフェ、、ですか?」


「そ。」





『いらっしゃいませ。』


「咲乃さん、いつもの2つ。」


『かしこまりました。』














このカフェで飲むこの1杯が
私の疲れを癒すやすらぎ。
































さくら「あすぴーさんって
コーヒー飲めるんですね。」


「おい、バカにしてるだろ。」




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