八乙女事務所

□喧嘩
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一昨日 恋人の引金嬢と喧嘩をした

同棲してたけどその勢いで引金嬢は出ていってしまった。
どこにいるのか分からない。
楽の家にも来ていなくて百さんの家にもいない。同じ仲間の家にいると思ったけど来ていないと言われた。


悪いのは俺の方なのにちょっとムカついて
ついカッとなって「うるさい!出ていってよ!」
なんて言ってしまったから……

出ていって3日……
仕事も被らないから仕事でも合わない
それどころかスケジュールすらわからない

そのまま1週間が過ぎた……
「ごめん……って伝えたい」
そうポロッと独り言が漏れた

「ん?なんだまだ仲直りできてないのか?」

「意外と龍は素直になれてないのかも」

「あっ……ごめん。聞こえてた?1週間なんの連絡もなくて仕事でも被らなくてラビチャしたのに既読もつかなくて……俺…嫌われたのかなって。今頃もしかしたら新しい彼氏いるんじゃないかなって…」

だいぶ落ち込んでいる様子の龍之介の言葉にマネージャーである姉鷺さんが声をかけてくれた

「あんなに仲良くしてたんでしょ?なら、大丈夫よ。女はね追いかけて欲しいものなの、もしかしたらずっと彼女は貴方のこと待ってるわよ」

「でもどこにいるか分からないんですよ」

「あいつ、ツンツンであんま話さないけどどうやってコミュニケーション取ってんだ??待ってるって言うけどそれすら言わないんだろ?」

「引金嬢ちゃんは物凄く話してくれるよ。美容とか体型とか食事とかかなり気を使ってくれるしMCとか役あるお仕事貰えばいいのにって思うくらいに個性もあって話も上手いんだ」

かなりの溺愛を見せる龍之介に仲間もほっこり

「まだ大丈夫そうね」

「だな」


それから何度も龍之介はラビチャを送りや続けて1週間

ピコン……

ピコン……ピコン……


龍之介の携帯に引金嬢から返信がきた


【明日のMステ収録スケジュールがTRIGGERと日にち被ってるけど何時収録?】

久しぶりのメッセージに嬉しくて胸が苦しくなった

【10:00に楽屋入り15:00本番収録だよ。
少しでも会える時間ある?言いたいこと沢山あるんだ…】

嬉しくて嬉しくて泣きそうになってしまう
こんな気持ち初めてだ!!

ピコン……

【12:00楽屋で13:00には収録。沢山あるなら時間作ってもらっていい?そんな暇ない】

いつも通りの強い口調……
引金嬢ちゃんだ…

【スケジュールいつ空いてる?俺は明日の夜、明後日は1日オフ、次に…】


なんて空いてるスケジュール全て教えたら直ぐに


【それより先に言うことないの?デートに誘う前にもっと大事なことあるんじゃない??】

そう返され俺は直ぐに電話をした

『はい』

「もしもし…引金嬢ちゃん。」

『久しぶり』

「あの…ごめんね。全部俺が悪いのに。最後には出ていけって言っちゃって……。良くないよね。好きで好きで俺から付き合ってくださいなんて行ったのに酷いことした。ほんとに出て行かれて1人になって……その……ずっとどうしていいのかって…………探して探して…」

嬉しくて寂しくて今までの不安と突然の安心とで
朝なのに涙が止まらなくなった。
まだフライデーにスらされてない事務所公認のお付き合い……

ありがとうって伝えたい

『ふっ……なに?龍泣いてんの?』

「泣いてない……嬉しいんだ……不安で心配だった……もしかしてって考えると辛くて……ぐずっ」

『泣いてんだな。ねぇ、龍。今玄関を開けてみ』

「玄関?」


彼女の言う通りに玄関を開けると

そこには……



『ただいま……龍…』



彼女の姿があった

久しぶりの姿。
久しぶりの声。
久しぶりの彼女の匂い。

俺は彼女を抱きしめた
優しくけど強く……

身長差はかなりあるけど
やっぱり変わらない

「俺の事嫌いになった?」

「ここに居るのが答えだが?」

「また、俺の事好きだって。そばにいてくれる?」

「それはどうだろなTRIGGERだからって関係なく扱うことはできる」

「良かった……ほんとの引金嬢ちゃんだ。ねぇ…キス。してもいい?」

「ここでか?撮られるぞ」

「あっそっか!?……じゃ…」

龍は引金嬢をくるっと壁に押し付け
影になるように覆った

「ほら、これなら問題ない」

そういいキスをした
何度も何度も優しいキス


俺、十 龍之介は
いっそう彼女の事を好きになりました。





→END



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