妄想話
□毒林檎にくちづけ
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ごく一部の関係者のみが知る俺、T.O.Pの恋人の存在。その秘密は絶対にバレてはいけない、まして俺が同性愛者で恋人はメンバーであり弟みたいな存在のテソンだと言う事は。
「あ、タッピョンまたテソニヒョンお持ち帰りっすか?」
「んー、だいぶ飲んでるみたいだし。」
「エッチな事するんだろ〜」
「あ!ジヨニヒョンはこっちですよ!」
「俺もテソナ可愛がりたい〜」
「酔っ払い…ほら行きますよ!じゃあテソニヒョンの事お願いしますね!」
メンバーとの食事会、珍しく飲み過ぎていたテソンの肩を担いで車まで連れて行く。
俺はもう一つだけ絶対にバレてはいけない秘密を持っている。
「うー気持ち悪い」
「大丈夫?とりあえず家帰ろう」
「うん…ひょんも一緒?」
「もちろん」
この可愛くてエロくて全世界のVIPの天使、テソンについてだ。
恐らく俺はテソンを可愛がりすぎた、あまりに愛しすぎて全てを捧げすぎた。俺の最愛の天使はその極上の甘やかしの中で変わっていってしまったんだ。。
「テソン、ほら着いたよ。靴ちゃんと脱いで」
「…むり。脱げない。」
今日は酒も入ってるし…荒れそうな予感がする。
「早く脱がせろ」
「…はいはい」
「はい、は一回!」
「…はい」
そう、最愛の天使は俺の前でだけ暴君と化すのだ。
「ベットにつれてけ!」
やっとスニーカーを脱がせるとそのまま大の字で寝転がるテソン。ここ玄関ですけど。
「っよいしょ」
お酒がまわっていつもより体温高めのテソンの体を背負ってベッドルームを目指す。
密着する肌に欲情してしまう、この後ベッドでどうしてやろうかとその事で頭がいっぱいになる。
ベッドへどさりとテソンを寝かせると、着ていたコートを脱ぎ捨てて直ぐにテソンへ覆い被さった。
「テソンア今日、いいよね?」
「はあ?美味しいお酒飲んで楽しかったからもう寝る。」
言葉遣いもいつもの何倍も乱暴になり、態度なんかお姫様通り越して女王様だ。
昔はこんなんじゃなかったけど…テソナの言う事をハイハイと何でも聞き入れ、大切な宝物みたいに扱って来た。その結果がこれだとしたら俺に言い訳の余地はない。
「暑い、服脱がせろ」
「いいけど全裸にしちゃうよ」
「…顔がキモい」
「テソナひどい!そんな事言う口はこうだぞ!」
むちゅっと可愛いテソナの唇を奪う。
アルコールの影響か体はすっかり脱力してしまっているテソナ、仰向けのまま黙ってキスを受け入れている。
「ひょん、酔っ払いを襲うなんて趣味悪いよ」
「悪趣味で結構、気持ちよくしてあげるんだから憎まれ口叩かないの。」
「ふん、どうせ体しか愛してくれないんだ」
我儘で口が悪くて横柄な俺だけのテソン。
でも俺はそれでも構わない、お前にどんなに罵られて足蹴にされたとしても喜んで跪き手の甲にキスを贈るよ。
もうお手上げ状態で惚れてしまってるから、それにね
「俺が愛してるのはお前のぜーんぶだよ。可愛いところも可愛くないところも、酔ってても酔ってなくてもベッドの上でもステージの上でもテソナが大好き」
むくれて横を向いている瞳に宿っているのは言動とは裏腹の迷いや不安。誰より慎重で脆い本音を知ってるから、俺の前でだけ羽根を伸ばすテソナをどこまでもべったべたに甘やかしまくってぬくぬくの愛で包んで全ての痛みやストレスから守りたいんだ。
「…証拠見せてよ」
「良いけどまず服脱ごうか」
「ん…早くして」
テソンの羽織っていたジャケットを脱がせ、パンツのボタンに手をかける。
テソンが「はあっ…」と熱い息を吐き出したのが聞こえた。
END
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暴君テソナ、私のお気に入りです。