妄想話

□Beautiful
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「ただいまー」

「えっ、ヒョン今日来る日だっけ?!」

慣れた玄関にチャイムも無しで押しかけると流石に驚いた様子のテソナ。

「サプラーイズ。なんてな」

「せめて一言教えてください、ちゃんとお母さんには伝えて来たの?」

いつでもどうぞって合鍵渡して来たのはそっちだろ、俺は今実家で暮らしてるから2人きりになれるのはこのテソンの自宅しかない。

「うん。ね、夕食まだ?」

「あー、まだです。でも何も無いですようち」

「デリバリーしよう」

「今日泊まってくの?」

「だめ?」

「ううん…嬉しい」

テソンのこう言うところ、おまえのその魅力溢れる唇から出てくる言葉は真実ばっかり。ストイックでプロ意識が高くて弱みを見せようとしないその態度とは裏腹に本音しか出てこないその唇が俺は愛しくて堪らないよ。

テレビの前のソファに我が物顔で座るといそいそと隣に腰を下ろすテソン。

「今日は何してた?」

「別に何も。」

「何もって、はは」

「いいんです、今はそう言う時間だから。駄目ですか?」

「ううんいいよ。なーんにもしないで俺のことだけ考えてて欲しい。」

テソンの肩に片腕を回してグッと引き寄せる

「あはっ、それこそ無理です。」

「ひどい!」

「だって…」

俺の肩に抱き寄せられていたテソンが額をグリグリと押し付けて来ながら

「心臓がもたないから…ヒョンの体思い出してドキドキしちゃうでしょ」

そんな事を言うから、俺は脳を揺さぶられる様な感覚の中で言葉を失ってしまう。

「ヒョン…?」

「キスしたい」

そう気持ちを告げて1秒後にはテソンの唇を奪っていた。

「んん…んっ」

「ちゅっ、てそ…」

唇を合わせるだけのキスから少し開いた隙間に舌を侵入させて粘膜が絡まる濃厚なものに変わっていく

「んちゅ、ちゅ…んあ」

「おいしい、んむっちゅ…」

ぴちゃぴちゃ、と淫らな音に酔いながら好きなだけテソンの唇を貪るこの時間が俺の全てかもしれないと思う。本気で。

「はあっ、はあ、ヒョン。ダメ、ご飯食べるでしょ?」

「うん、でもテソナも食べる」

「はいはい、わかりましたー。」

抱きしめられたままだったテソンがもう一度俺の口元にチュッと軽いキスをしてくれて、やんわりと俺の腕を解いた。そのまますっと立ち上がって隣のキッチンの奥へと消えていく。何やらテソンの声が聞こえる、誰かに電話しているみたい。別にそんな訳では無いけど、自分の元から離れていってしまうテソンに無性に寂しくなった。

「ヒョンなんて顔してるの」

数分後、俺の隣へ戻ってきたテソン。

「おまえが行っちゃうから」

「もう、赤ちゃんなんだから。ふふ、これからどうするの?僕はしばらくいなくなるんだよ?」

「ううっ、ヒョン無理」

言ってて本当に泣きそうになって来た

「ほらデリバリー選んでください。」

「やだ!今日はテソン以外食べたくないの」

「…ヒョン。仕方ないでしょ。ジヨンヒョンもべべヒョンももう直ぐ行ってしまうし、これはまた5人で始めるために必要な時間なんです。」

「わかってる、わかってるよ。ただおまえが恋しい、離したくない離れてかないで。」

「今日ね本当は予定があったんだよ。社長と食事」

「マジか」

「でも今断りました。ヒョンといる方が大事だから」

「おまえ…」

「大丈夫、ジヨンヒョンとべべヒョンと、それにスンリも行ってるはずだから。僕には今ヒョンといる方が大事です。
僕はこの運命に感謝してます。今までとこれからなんて考えてもどうにもならないでしょう?それより今夜をヒョンと過ごせる事が僕には全てです。」

ああ、テソン。
どうすればこの想いを全部おまえに届けられるんだろう。

「俺の心臓おまえにあげたい」

「ははっ遠慮しときます!」

おまえは俺の誇り、俺の全て。次会うために今を大切にしよう。俺だけの天使。





END


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と言う訳であの写真には2人が不在だったのですよ。
(だったらいいな426%)
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