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 自室の方もかなり居心地は良かったけど、こっちもなかなか。ソファーが日当たり良い位置にあるのは嬉しいよね。


 外気と遮断されてるお陰で陽の暖かさだけを感じる事が出来るダークブラウンの皮の上、丸めた体に出来た窪みにすっぽり収まってる自分以外の重みを認識しながら、夢の世界と現実を行ったり来たり中。



『お〜い、レン?』


 夢なのか現実なのかよく分からない中で、間延びした低い声に呼ばれた。


『レ〜ン〜』


 私が返事をしなかったからだろう。
 再び呼び掛ける声は現実だと認識出来る明瞭さで耳(この場合は頭か)に届いた。

 目を開けて視線だけを声の主が居るであろう場所に向ける。



 お昼寝前と変わらない位置で机に頬杖を着いた、この部屋とさっきの声の持ち主が何だか拗ねたような顔でこっちを見ていた。


 ここに来た時には居た人が居ない事を視界と気配で確認してから、拗ね顔のラスに言葉を返す。


『何〜? どしたの?』

『飽きた』


 ……いや、飽きたとか言うなよ。守護騎士サマの大事な仕事でしょ。



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