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「調子の方はもういいのか?」

「ん〜、まだ全快って訳にはいかないけど、普通に動き回れる位にはなったよ」


 魔王が用意した部屋(ご丁寧にジークとは別部屋)でレンと二人。

 一頻りジークの方の部屋を見終わって、今度は俺に当てられた部屋を見に来た所だ。


「こっちも同じ造りなんだね」

「城にある客室なんてそんなもんだろ」

「そっか」


 つまらなそうなレンの様子に思わず笑った。


「……なあ、昨日みてえに人間で実体化出来るか?」


 不意にそんな言葉が口から出た。

 実はかなり気になってた。
 もう一度見たい。触れてみたかった。

 だが、それに伴う負担の事を思い出す。


「あ〜、っと。今のは無しだ」


 俺の前言撤回の理由がすぐに分かったのか、笑いの気配と共に口を開くレン。


「何で? 動き回ったりしない限りは大丈夫だと思うよ。でも多分昨日と同じにはなれないと思うけど。それでもいい?」

「それは別にいい、けど……?」


 昨日と同じになれないって事の意味は分からなかったが、本人が大丈夫だってんなら、と返事をした。


「じゃ、いきま〜す」



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