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「「「………」」」
明らかにバツの悪そうなレンと、ヤレヤレな様子のジーク。今一つ状況の飲み込めない俺。
「………レン?」
「……にゃ〜」
いやそれ意味ねえだろ。
人間の格好で“にゃ〜”とか言われても……。
つかやっぱり、“あの”レン。って事なんだな。
「どういう事か、説明しろ」
こめかみに手を当てながら、拒否は許さないという意思を明確に込めて言う。
「…ごめん。でもとりあえず、時間切れ」
“時間切れ”の意味を理解する前に、困り顔をしていたレンの姿が消えた。
「!?」
「大丈夫じゃないだろ」
慌てて周囲を見回す俺を他所に、レンが居た場所にしゃがみ込んで足元に声を掛けるジーク。
視線の先には見慣れた白い仔猫。
普段と違ったのは、ぐったりと体を横たえてるって事。
「どうし「調子がいいって言ってもな、いきなりあれだけ動くからだよ」
俺の言葉を遮るように言ってレンを抱き上げると、ジークは何も無かったように歩き始めた。
「おい」
「説明は後にしましょう」
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