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「ジーク、ちょっといいか?」


 リロイの家から王都の宿屋に戻ると、宿屋の前にはラスが立っていた。俺の事を待っていたらしい。


「どうしたんですか? こんな時間に」

「聞きたい事がある」


 普段纏っている軽い雰囲気が無く、真剣な面持ちな事から…まあ、アリスの事だろう。


「ここじゃ何ですから、部屋で話しましょう」




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「紅のアリスと魔の夜は関係があるんだな?」

「どうしたんですか急に?」


 部屋に入るなり開口一番に核心を突いて来た。


「何でもいいから答えろ。そうなんだな?」


 素直に答えようかどうしようか迷ったが、どうせラスにもバレる事だ。というか、既にほぼ確信している筈だ。


「ええ」


 肯定の返事を聞くと、“やっぱりな”といった風に暫し考え、顔を上げた。


「どこまで知ってる?」

「……魔の夜を引き起こしたのが現在紅のアリスと呼ばれている者で、今も何処かに封印されている。その位です」


 俺の答えに、その眉間には皺が寄せられた。


「何でんな事知ってんだ?」



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