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目を開けると陽は既に昇っていた。
物音へ視線を向けると身支度中のジークが目に入る。
自分が起きた事を知らせるのも兼ねて声を掛けた。
声に気付くと、こっちを向いて柔らかく笑って朝の挨拶を返すジーク。
伸びをしてベッドの上に座り直した。
「いつ帰ったの?」
「日付が変わる頃には帰ったよ」
「珍しいね」
ジークが一人で遅くまで出歩く事なんて殆ど無い。
「ちょっと捕まってね」
「そっか」
曖昧な答えだったが、その単語と苦笑で何となく、大体の経緯は察した。
似たようなパターンなら今までにもあったし。
身支度を終えたジークが差し出した手の平を伝って、いつもの定位置に体を落ち着かせた。
それを確認して部屋を出る。
『で、これからどうするの?』
『それは朝飯食べながら話そう』
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