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「……八方塞がりじゃありませんか」
誰かが呟く。
正にその通りだと思った。
「それは重々承知している。だが、今は僅かでも可能性がある方に賭けるしかないだろう」
「……交渉というのは不可能でしょうか?」
先とは別の高位魔導士が遠慮がちに口を開いた。
「確かに、通常ならばそれも選択肢の一つになり得るのだが……それを挙げなかったのは、実現が今の所不可能だからなのだ。一月という期限内では、無理だ」
どこか諦めの気配を漂わせながらの説明に、それもそうだと納得する。
さっき“アリスを魔界に〜”の時にも考えた事だけど…まず魔界へ行く為の手段が無い。
「我々には魔界へ行く為の手段が無い」
俺が考える通りの理由が爺様の口から話される。
以前は向こうへの入り口を作れる魔導士も居たらしいけど、現在それが可能な者が居るかは確認されていない。
その必要が無い為に、それを研究する者も殆ど無いだろう。
その方法を確立させる事自体は不可能じゃないと思うけど、一月という期限内じゃ確かに無理だ。
それだけ難度の高い魔導だって事。
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