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最もな危惧の提示に室内の空気は重鈍さを増した。
それについては俺も考えた。爺様だってそうだろう。
封印を解かれたアリスが凶行に及んだ場合、かつての時とは違い封印する事が出来ない。
聞いた訳じゃないけど、手立てが無いという事は無い筈だ。でも
「封印し直す事自体は可能だ」
思考を遮るように放たれた言葉は、俺の推測と同じ内容を語っていた。
「アリス封印の構築式は代々両国最高魔導士に受け継がれている。……だがそれをした時点で、魔族は我々を殲滅対象と見なすだろう。仮にだが、アリスを殺した場合でもそれは同じだ。魔王の要求が通らないのだからな」
皆一様に納得するしかない。
唯一可能性があるとするなら、アリスを魔界へ移動させる事位だが……アリスの力量と素直にそれに従うかを考えれば、それが成功する確率はゼロに等しい。
それ以前に、魔界への道を開く方法が無い。
爺様の説明の後、長かったのか短かったのか、重苦しい沈黙が続く。
つまりは…最悪アリスと魔族、両方と敵対する事になるって事。
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