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 先程までの真剣さを軽減させながら、部屋に備え付けられた椅子に腰を降ろす。


「たまたま運が良かっただけです」


 向かいの椅子に座りながらシレッと答える。


「何でアリスと魔の夜を調べてる?」

「別に初めから魔の夜云々を調べていた訳ではありませんよ。紅のアリスの由来を調べていたらたまたま繋がってしまった。それだけです」


 とりあえず最もらしい回答を述べた所で深い溜め息が聞こえた。


「何かあったんですか?」

「いや……いや、何でもねえ。ちょっと気になっただけだ」


 ラスの方はリロイと違って、あくまで守秘義務を守るつもりのようだ。
 実際、いくら知らない人間でないとはいえ一般人に話していい内容じゃない。


「そうですか」


 明らかに隠し切れていない様子だったが、追求するつもりは無い。
 既に知っている内容をまた聞くなんてただの時間の無駄だし、追求したとしてもこの男は話さないだろう。





 ラスはその後早々に部屋を出て行った。


 流石のラスも、楽観はしていられないようだ。最悪魔族と戦争になる事だって有り得る。



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