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「では、昨日の事を踏まえた上で今後の我々の方針を決めたいと思う」
数人の人間がテーブルを囲む室内。
重々しく口を開いたのは、既に還暦を迎えた白髪混じりの男。身に纏うのは一目でそれと分かる賢術士仕様の魔導衣。
「とは言ってもだ……我々に与えられた選択肢は二つだ」
重い口調のまま、その場に並ぶ多くはない面子へ順に視線を巡らせる。
昨日の会議に並んでいたものよりも、今この場にあるそれは格段に少ない。
魔導は勿論の事、アリスの事など何も知らないに等しい連中が集まった所でマトモな議論など不可能だろうと判断しての事だ。
「要求を飲むか、拒否するか」
端まで行き着いた視線を逆に辿りながら、苦々しく語る。
順に、高位魔導士の三人、俺、現在唯一王城に残っている守護騎士ラス、そして上座に腰を降ろしている国王。
最低限且つ最大限に必要と思われるメンバーだった。
本来ならラス以外の守護騎士も同席するべきなんだが……何せ他の三人は今不在だ。
守護騎士が三人も不在だという状況は、別に異常があっての事じゃない。
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