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「……いいよもう、どうせ歩く生殖器だよ俺は」
力無くソファまで辿り着くと腰を下ろして項垂れた。
諦め。
実際、俺が口説いた女は数知れず。
よくそれで守護騎士やってんな、だのと言われる事だって前はよくあったもんだ。
一頻り凹んでると、レンが本棚から降りて目の前のテーブルの上に移動して来た。
「拗ねんなって。日頃の行いの結果でしょ」
「俺はそこまで節操無しじゃね〜」
それでも一応の弁解を試みる。
「はいはい。…さっきの副官さんだよね。仲良いんだ?」
「そんなんじゃねえよ。ただの腐れ縁だ」
項垂れていた顔を上げる。すげえ嫌そうな顔になってる事だろう。
「ふ〜ん。幼馴染みとか?」
「まあそんなトコだな……って、それはどーでもいーんだよ。 聞きてえ事がある」
「何?」
質問を終わらせられた事に少し残念そうにして見せるも、それ以上踏み込む様子は無く僅かに首を傾げて見せる。……可愛いじゃねえか畜生。
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