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「お前……俺を何だと思ってんだ!?」
「歩く生殖器」
ガバリと体勢を立て直して騒ぐとあっさり即答された。
この野郎。
「殺すぞ」
「なんだ違うのか?」
殺気すら滲ませてやってもケロリとしてやがる。
「当たり前ぇだ!!」
「そうか。遂に人の道を踏み外したのかと心配した」
心配なんぞ微塵もしてねえ口調でよく言ったもんだ。
…コイツがこーやって俺で遊ぶって事は分かってる。人をオモチャか何かだとでも思ってやがるのかこの野郎は。
終始平然としてるザジに色々諦めて、脱力。
「邪魔者は帰るからな。ゆっくりしていけ。せいぜい嫌われないようにするんだな」
爽やかな作り笑顔でそう言うと奴は部屋を出て行った。
俺はそれを無言で、シッシッと手を振って見送る。
奴が居なくなった所で、レンに向かって屈み込んだ。
「キャ〜近寄んないで〜。妊娠する〜」
明らかな棒読みで言いながら本棚の上に避難された。
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