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 守護獣。
 精霊の中でも攻撃や治癒の能力に特化し、人間(もっぱら魔導士)と契約を交わして力を貸す者。獣の貌を取って行動する事が多い為そう呼ばれている。


 私は守護獣なのか?

 その疑問に対する私とジークの見解は、可能性としては有り得るかもしれないが……確率的にその可能性は低い。というものだ。



 ジークがああ言い切ったのは、経緯の説明が面倒なのと、ある懸念の為だろう。


 勿論“私”の事については一応ラス達にも確認済み。
 やっぱり手掛かりは無しだった。



「随分強力な守護獣みてえだな?」


 私が守護獣だという事はすんなり納得したらしい。実際、ラスから見ると守護獣の特徴と合致する点は多い。


「…そうですね」

「昨日俺の怪我治したのはレンなんだな?」

「ええ」

「そういう事は早く言え。これで完全に命の恩人だな」


 ニッと笑って言い、私を見る。


「大した事はしてないよ」

「俺にとっちゃ大した事だろ」


 確かに。


「で、アンタは一体何モンなんだ?」

「私ですか? ただの旅人ですよ」



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