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 今私達が居るのは、台形型の大陸の南東辺りにある小さな村。

 この大陸は二国で構成されていて、丁度大陸を南北縦に二分する形で中央に大きな山脈と平原がある。
 その大陸北側の山脈と大陸南側の平原を中立地帯として、各国それぞれその中立地帯との境界線が国境となっている。両国共面積は同じ位。


 私は今居る国――大陸東側にあるルーベニアから出た事が無い。

 ルーベニアの王都は現在地より北、丁度国内の中央辺りにある。
 今回の目的地は王都の西隣。



 大陸地図を思い浮かべていたら、ジークが何かを思い出したように付け足した。


『ああ、でもちょっと寄り道しなきゃならないな』

『何かあるの?』

『少し仕事をしておかないと』


 財布がピンチだ。
 言って軽く笑う気配がした。


『成る程ね』


 そろそろ路銀を足しておく必要があるらしい。


『適当な賞金首でも転がっててくれれば楽なんだけどな』

『だよね〜。この辺で情報無いの?』

『今のところは……無いな』

『そっか〜』

『とりあえずここにはギルドが無いから、途中の街でいいのが無いか探してみよう』



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