短編 CP

□Wonder of the head
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白side






夜、ふと目が覚める。










別に嫌な夢を見たわけじゃない。



喉が渇いたわけでもない。








何もないのだけれど、本当にふと目が覚めて、寝れなくなる。







そんな時はいつも、私の鎖骨あたりに顔を埋めて無防備に寝ている子の頭を撫でる。








頭を撫でたところでこの子が起きることはない。







本人曰く父親譲りらしい形の綺麗で、小さい頭。







この子の頭を撫でていると、いつのまにか私も寝てしまう。








これは夜、目が覚めるようになってしばらくしてから気づいたこと。








何でだろう。
この子の頭には不思議な力でもあるのだろうか。







何故だか分からないけど、寝れなかったのが嘘かのように、スッと瞼が降りて来る。






今日も気づけば、だんだんと瞼が降りてくる。
こうなるとあっという間だ。
もう自分の力で起きていることは出来ない。







人間の体は本当に不思議だ。
あんなに寝れなかったのに、今度は嫌でも瞼が閉じてしまう。









明日の朝、起きたらこの子に「ありがとう」と言おう。







キョトンっと首をかしげる彼女が想像できる。








きっと彼女は、毎日頭を撫でられていることなんか、知らないんだろうなぁ…………







おやすみ、七瀬







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