短編 CP

□Hand to turn the page
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齋side



いつもの楽屋だけど、いつもと違う。







それは、ななみ。






もっと詳しく言えばななみの背中。
いつもならかずみんとかの背中にくっついてるなぁちゃんが今日は珍しくななみの背中にくっついてる。








まぁ、それは大目に見て許してあげるとして、私が許せないのはななみ。







何あのにやけた顔




許せない。






なんで私がこんなに怒ってるかと言うと、ななみは私の嫁………じゃなくて、私の彼女だから。




私たちが付き合い始めたのはついこないだで、まだほとんどのメンバーは知らないと思う。








私はいつも通り楽屋の端にあるソファーに座って、本を読んでる


















フリをしてるだけ。
ななみとなぁちゃんの事が気になって全然ページをめくる手が動かない。




まぁ、誰も私のことを見てないから気づかれてはないと思う。













『飛鳥』




「…………………」





『あーすーかーちゃん』






「……なに?」
『さっきからチラチラこっち見てたから』







さっきまでなぁちゃんとじゃれてたクセに、今はニヤニヤしながら私の横に座ってくる。







「自意識過剰じゃない、別にななみのことなんか見てないから」




『そう言う割には、さっきから全然ページ進んでないけど?』
「っ!気づいてたの?」
『隠してたつもりだったかもしれないけどバレバレだよ』







『…………飛鳥は私のこと見てないかもしれないけど、私は見てるから、飛鳥のこと』






「ずるい、ななみのくせに」








急にそんなこと言うなんて本当ずるい







私の憧れの人は永遠にななみだし、私の好きな人も永遠にななみだけだよ。





なんて言ったらきっとビックリするだろうなぁ





いつか必ず言ってやる





そう言う気持ちも込めてななみに体重を預けると優しく受け止めてくれた。
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