Un bel funerale

□4:esecuzione
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 右手を失った……。チクショーッ……あの新入り! 自分にウイルスを感染させて持ち込むなんてイカレてやがる! クソッ!!
 だがこれでジョルノとかいう新入りは始末できた。アバッキオもあの出血だ、長くはもたねえ。あとはフーゴを始末して「鍵」を奪ればいい。

 肩で息をしながら確固たるものになった勝利に口元を歪ませた時だった。

『──イルーゾォさん!!』
「ッ! な、どこから……?」
『詳しいこと言ってる時間とか無い! まっすぐ走って! 振り返るな!!』

 どこからともなく聞こえる名無しの声に狼狽えながらも、何やら切羽詰まった様子を感じ取って動く。失くした右手を庇いながら走り出したところで、イルーゾォの首の後ろを何かが掠めた。一体何だと、後ろを見るため首をひねろうとした。

『絶対振り返るなよ! あと、十分距離を取ったら3人を逃がしてやって! さもなくば死ぬッ!』
「はあッ?!」

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「さもなくば死ぬッ!」

 ジョルノが!!
 主語さえ言わなければ嘘にはなってないから、と頭の中で何度も何度も唱えつつイルーゾォさんの様子をうかがう。私の言ったことを素直に聞いてくれているらしく、『3人が出ることを許可する!』と言っているのが耳に入った。これでたぶん大丈夫だろう。

「イルーゾォさん、けがの手当てはちゃんとしてくださいね。家で待ってますから」
『は? ああ、うん……?』

 ちっとも納得した様子ではなかったけど、あの深手でもう一度パープルヘイズと対峙しようなんて思わないだろう、きっと。原作では、みんな生きようとしていたから。

「そうだ、みんな……死ぬつもりなんて微塵もなかった」

 チーム全員が揃ってこそ、チームでいられるんだから。欠けてしまっては意味がない。仮に麻薬ルートを手に入れて莫大な金を手に入れたとしても、たった一人では意味がない。ソルベとジェラートを殺されてしまって7人になってしまったけど、もう誰一人失いたくはないはずだ。仲間なんだから。

 絶対に、死なせてはいけない。救えるかもしれないことはわかったんだ。ここからが正念場だ! 気を抜いてはいけない!




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