Un bel funerale

□3:segreto
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 閉め切った部屋の中、名無しは話した。「限定的に未来の事象を予知できる」、「過程はわからないがこのままでは全員死んでしまう」。
リゾットは左手で自身のこめかみに触れながら「なぜ隠していたんだ」と聞いた。
名無しは「できることなら黙っていたかった」と言ったあと一呼吸置くと

「言ってしまえばきっと失ってしまうような気がして……怖かったんです。自分の中だけで完結させておいた方がよかったことも……何度かありました。だからこそ言わない方がいいと思って黙っていました。だけどさっき……ホルマジオさんに頭を撫でられたとき……放っておくことはできないと思って……ごめんなさい……」

 と続けた。本当のことは何一つ言ってはいなかった。しかし明らかな嘘もついてはいなかった。

「おねがいがあります」
「……なんだ」
「……このことを、誰にも言わないでほしいんです」

 リゾットは名無しから手を離すとおもむろに立ち上がり「……状況にもよる」と呟いて部屋を後にした。

 ……どうだろう。騙しきれたとは思ってないけど……。緊張や不安で消えてしまいそうになった。とても、怖かった。

 ――これでもう後戻りはできない。進むしかない。大丈夫、きっとうまくやれる。原作の内容は大体頭に入ってる。あとはタイミングと幸運がつかめるかどうかだけだ。

 いくつか必要なものもできた。付け焼刃の知識ではどうにもできないかもしれないけど急がなくちゃ。あるかどうかわからないけど多分大丈夫なはず。いける、やれる、私ならきっと。

「これは『試練』だ……未来を覆せっていう『試練』なんだ……! 私ならできる」

 ぐっと両手を握って、「よし」と決意を固めた。




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