Un bel funerale

□3:segreto
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 十数日、ぎこちない共同生活をした。
 だからこそなんとなく。ただなんとなくの勘だった。ただ、思い当たる点はいくつもある。

 廊下で見かけたリーダーの表情がいつもより陰っていたこと。
 ギアッチョさんがパソコンの画面を見ながら怖い顔をしていたこと。
 メローネさんが興奮気味になにかを呟いていたこと。

 プロシュートの兄貴がペッシさんにかけていた強い言葉。
 イルーゾォさんの鋭い瞳。
 それからホルマジオさんに言われた言葉。

『しばらくは部屋にいろよ、な?』

 わざわざ目線を合わせてかけたこの言葉が一番“それ”らしい。
 原作が始まったんだ、と思う。防音が効いた部屋にいては何も聞き取れないし、情報が得られない。だけど、このままにしておくなんてとてもできそうになかった。
 ただ、今の私には策が練れない。スタンドが視えない。

「どうすれば死なせずに済む……?」

 わからない。わからない。わからない。

『大人しくさえしていれば』

 私にできることがあるはずなのに、踏み出すのが怖くて動けない。

『危険な目にも合わせない』
『約束はしよう』

「……ごめんなさい、リーダー」

 やっぱり私には無理みたいです。とてもじゃないけど。

 あなたたちを見捨てるなんてできないんです。




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