Un bel funerale
□2:Una domanda
4ページ/4ページ
少し埃っぽい空き部屋の、硬くてくたびれたベッド。今日からここが私の寝床。
なにがきっかけでここに来てしまったのかとんと見当もつかないが、受け入れるしかない。ごろんと寝返りをうって部屋全体を眺めてみる。あるのは古いランプとこのベッドくらいのものだ。
『最低限、生活できる程度には手を尽くすがいくつか条件がある』
『俺たちのことをあまり探ろうとするな』
『単独行動は許可できない……誰かを見張りという形で傍につけることになるだろう』
『何か問題が起こっても保障はできない』
リゾットさんは確かにそう言っていた。俺たちってことは、ここは暗殺チームのアジトだ。多分。見張り、見張りかあ……なんか囚人みたいだなあ……。でももしかしたらあの時死んでいたかもだし、ぜいたくは言えないな。何事も起こらなければいいけど。リゾットさんからしたら私は怪しい奴以外の何物でもないわけだから保障できないってのもわかる。わかるけど、問題は。
「(探るな、もなにも大体知ってるんですけど……)」
そしてそれを隠し通せる自信がない。相手はプロだぞ。それに、彼らは……。
「……死んでほしくないな」
実際に目の前で見て、しかも触れてしまったら、一層強く思う。死んでほしくない。生きていてほしい。
いつ原作が始まるのか分からない。もしかしたらもう始まっているのかもしれない。そうだとしたら、果たして私は止められるのだろうか。私は、助けられるのだろうか。私は……
「いやまあ現実的に考えて無理でしょスタンド持ってないし」
ひとまず寝た。
.