Un bel funerale

□2:Una domanda
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 ほんのわずかな灯りしかない中で、暗闇に慣れたはずの視界がまた何も映さなくなっていく。目の前がぼやけて、息をするのも精一杯になりながら紅い光を目に映す。心臓がバクバクとうるさく鳴って、身体が指先から順々に震え始めた。

──いやだ。こんな。いたい。いたい。いたい。

「しにたくない……」

 声なき声が空気をわずかに揺らす。その音が届いたのかどうか定かではないが、紅い目は少しだけ驚きと困惑の色を孕んだ。ゆっくりと数回瞬きをすると先ほどよりも静かに問いかける。

「これからいくつか質問をする。すべて『はい』か『いいえ』で答えるんだ。いいな」

 ゆっくり頷く。

「最初に、なぜここにいるか、わかるか」
「……い、いえ」

 ごく小さい声だった。

「次に、どうやってここにきたか、わかるか」
「いいえ……」

 喉がカラカラに乾いて苦しい。

「最後だ。お前は俺たちの敵か」
「ちがっ……、……いいえ、です……」

 相変わらず心音は早く、乱れた息が余計に自分を苦しくさせる。強く主張する左腕の痛みだけで意識を保っていた。「下手なことをすればきっと殺される」「どうやってかはわからないけど生きてはいられない」そんな得体のしれない恐怖だけが心を支配して晴れることはなかった。
 静寂に包まれた。恐ろしく長いようでただ一瞬の静けさは、依然として心に絡みつく絶望を増幅させるだけだった。

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