せいしんせかい。
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ディオが来てから、私達(ほとんどジョナサン)の生活は激変した。利用できるものはとことん利用し尽くすディオのことだし、あのズキューン事件までは空気でいようと思っているのだけれど……。もしかしたら難しいかもしれない。
ご厚意で与えられた自室で何をするでもなくゆっくり寛ぐ。ここに来た時に部屋着として着ていた白いワンピースの裾を弄びながら、これからどうしようかな、と考えていると、ドアをノックされた。
「はーい?」
開いていた(読んではいない)本を置いてドアを開ける。噂をすればというか、考えていたらというか、そこに立っていたのはディオだった。
「ディオ、どうしたん?」
「……今日も勉強か? ずいぶん熱心なんだな」
ちらっと机を見たディオは特に表情を変えずにそう言った。質問を質問で(以下略)
「早くお手紙読み書きしてみたいからさー……。で、何か用でもあるの?」
「……。手紙を送る相手でもいるのかい?」
「(無視かーい)……まあ一応ね? 文通、じゃないけど手紙交換くらいしてみたくて」
またも質問で返したディオにそう返すと、へぇ、とだけ呟いて私に目を合わせた。
もうすでに私より背が高いので(少しだけどなッ)ちょっぴり見下ろされる形になる。
……なんか黒い影が見える気がする。
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