Un bel funerale

□4:esecuzione
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 次はイルーゾォさんだ。

 ホルマジオさんと同じセットを作り、昨日のうちに出任せを言って拝借した服の首元に取り付けておいた。状況把握はしっかりできるとして、どうやって助けるか、だけど……タイミングを見誤ればイルーゾォさんはおろかジョルノまで殺しかねない。フーゴのパープルヘイズが攻略のカギになってくる。もう本当にあのスタンド厄介だ。
 ただ、幸いというかなんというか、イルーゾォさんとはそんなに壁を感じない。むしろ(メローネとは違う意味で)フレンドリーだから、多分撤退させることは苦じゃない。

 ……これ戦略ゲーじゃないんですけど。撤退とか言うな!

 下唇を噛んで集中する。タイミングがかなり重要だ。イルーゾォさんにつけた簡易盗聴器は順調に音を運んでくれているらしい。でももし途中で壊れてしまったら? スタンドを介していても機能を果たすのか? どうなるのかはわからない。かなり賭けの要素がでかい。でもこれしかない!

 耳を澄まして慎重に音を聞き分ける。──何かが激しく擦れる音。地面と接触したのか? まさかもう? いや、大丈夫。よく聞いてから……

『────感染して……ッ』
「!」

 イルーゾォさんの声だ! 『感染』? じゃあ今ジョルノがウイルス持ち込んで鏡の中に入ったってことだから、つまりタイミングは──

『──ウイルスは許可しないィィィィィーーーッ』
「あっヤバいっ」

 実のところまだ、なんて言って諦めさせるかしっかり決まっていない! どうしようどうしよう!
 焦りが募るばかりで、まったくいいセリフが浮かばない。5部は短い日程に詰め込みすぎなんだよイベントを! 精神力どうなっているんだ?!

『感染した部分は出ることは許可しないィィィィィィィーーーッ!!』
「もう考えてる余裕なんかない! イルーゾォ! イルーゾォさん!!」

 防音なのをいいことに喉がちぎれんばかりの大きな声を出す。お願いだから言うこと聞いてよ!?




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