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□バッドスパイラル
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僕は学校にいくのが嫌だ。
勉強が嫌いだからでははない。
めんどくさい訳でもない。

「学校に行きなさい!!」
嫌だ。
行きたくない。
行かなければいけない。
親はそんなことを言っても動じはしないだろう。
親は弟のことでいっぱい…というか僕が要らないだけだ。
だから、僕が学校に行っているときは色々好都合なのだろう。
だから、どうしても学校に行かなくてはダメなのだ。

ガラリ、と扉を開けて教室に入る。
それまで騒がしかった教室はシンと静まり返り、代わりにヒソヒソと話す声が聞こえた。
僕が席に着いた直後に先生が入ってきた。

「では、ここの考えを言ってくれ」
先生は僕を目で当てる。
僕は立ったのは良いものの、何せ教科書がぐちゃぐちゃなのだ。
発表できるはずもなく、ただ僕は口をパクパクと動かすしかなかった。
「頑張れー」
クスクスと笑いながらそう言って冷やかす声が聞こえる。
「声援受けてるのか、人気だなぁ」
「わかりま…せ……」
「なんだ残念だ、頑張って学習しろよ〜」
と呑気に言われた。
先生は気付いてそう言っているのかただ単に気付いていないだけなのか僕にはわからなかった。

結局、僕は今日も途中で苦しくなって早退した。
こんなのじゃ母に何て言われるか…。
「気持ち悪い…」
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