茨道

□プライドと復讐の戦い
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あるマンションの一室で、ウボォーが缶ビールを飲みながらじーっとパソコンの画面を見ていた。



数口で飲み終わった空き缶は後ろに放り投げられ、ここの住人であったと思われる男性にぶつかって床に落ちる。



パソコンを使っているのはもちろんシャルナーク。



ハンターサイトで検索した結果をスクロールしながら目を走らせる。



そこへ_____



『シャルー?』



ガチャリと自分の家のように部屋に入ってきたのはレイだった。



『ハイ、ノストラードファミリーがここら辺で所有してる物件の名簿』



パラリとメモ用紙を渡す。



シャル「ありがとう!これで組員名義での宿泊者を調べればカンペキだ」



カタカタとキーボードを打つシャル。



『それにしても、いくらウボォーが毒で無抵抗だったからって殴るなんて…その子かなり勇気あるね』



ケラケラ笑いながらコンビニで買ってきたパンの袋を開ける。



え、なんで盗まなかったって?



だって私は盗賊じゃないもの。



ウボォー「だからこうして探してやってんだろ」



『その子も運ないね〜』



なんて言いながらモグモグと食べる。



もうすっかりクモに馴染んでいることは触れないでおこう。



するとパソコンが一際大きくピッ、と音がなった。



シャル「出た!ウボォーが捕まってたビルの他にレイが調べた所有物件を追加して…構成員が宿泊中のホテルが3ヶ所。

まあ、こいつらならすぐに見つかるんじゃない?」



と言ってメモ用紙にスラスラ書いてウボォーに渡した。



ウボォー「サンキュー!恩に着るぜェ、レイもな」



パソコンの前に移動してきてた私の頭を掴んでわしゃわしゃと撫でた。



『わわ、やめろ強化系筋肉』



くずれた髪を手ぐしで直しながらムス、とウボォーを見やる。



ウボォー「ハハ、じゃあ行ってくらァ」



缶ビールを何個か持って窓から出ようと足をかけた。



シャル「ウボォー!」



ウボォー「あ?」



飛び出ようとしたウボォーを呼び止め、真剣な表情でシャルナークが言う。



シャル「油断禁物だよ」



ウボォー「ああ…!レイ、帰ったら今度こそ遊ぼうぜ」



『(油断禁物の意味知ってるのか?)ハイハイわかったから、さっさと行って帰ってきなよ』



呆れながら見送ると、すぐに見えなくなった巨体。



『…さて、と…』



シャル「どっか行くの?」



『うんー、クロロに言われてた仕事で目星つけてた奴、いま調べがついたから行ってくる』



パッとシャルがパソコンの画面を見るといつの間にか別のページが開かれていた。



シャル(いつの間に……)



そして1人になった部屋で背筋を伸ばしたシャルは「掃除でもしますか」と、缶ビールやら何やらで散らかった部屋を見渡した。



ほとんどウボォーが散らかしたのだが…






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