強くなるために/守るために
□次元が違う
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ウイングの元で基礎の修行をしたライたち3人は、再び200階へと来ていた。
ヒソカ「!」
歩いてくる3人の身体の周りにはオーラがまとわりつき、修行の成果が出ている。
先ほどと同様にヒソカが念を送るが、3人はスタスタと歩き通した。
ヒソカ「200階クラスへようこそ♡洗礼は受けずにすみそうだね♦」
通路を抜けた先にいたのはヒソカだけで、レイはそこにはいなかった。
ヒソカ「彼女なら先に行ったよ、『ここに来るのはアイツの自由だから』…って♠」
ライ「…(ライ…)」
すると今度はゴンに視線を変えた。
ヒソカ「キミが天空闘技場に来た理由は想像できる♣ここで鍛えてからボクと戦うつもりだったんだろ?」
ゴン「ああ、でもそっちから現れるとは思わなかったよ、手間が省けた」
ヒソカ「クックク♡纏を覚えたくらいでいい気になるなよ、念は奥が深い♦
はっきり言って、今のキミとは戦う気は全くない♠」
ヒソカは両手の指先からオーラを出し、スペードを作ったあとにドクロにかえた。
ヒソカ「だが…このクラスで一度でも勝つことができたら相手になろう♡」
そう言うとヒソカはスタスタと廊下の奥へ姿を消した。
キルア「行こう」
ゴン「うん」
ライ「…ああ」
3人は受付の方へと向かう。
その様子を、廊下の影から見ていた人物が1人…
ヒソカ「よかったのかい?顔合わせなくて♦」
『…いいのよ、私が側にいたら意味がないでしょ。
……それより……なにさりげなく肩に腕回してんのよ』
離れろ、と腕を振ればサッと退いたヒソカ。
ヒソカ「つれないなァ♡ボクと来てくれるんじゃなかったっけ?」
『そんなこと一言も口にしてない』
スッパリと言うと踵を返して行ってしまった。
ヒソカ「うーん残念♡」
苦笑して、自分もまた闇へと消えた。
翌日。
「さぁ今日は大注目の一戦です!!まずは破竹の勢いで勝ち上がってまいりましたゴン選手が早くも登場です!!」
大きな歓声とに包まれ、リングには昨日200階に入ったばかりのゴンが登場した。
『(なにをやってるのよ…)』
部屋のテレビを付けてみればこれで頭を抱える。
「対しますギド選手はここまで4勝1敗とまずまずの戦績を残しています!!」
実況の言葉と同時に赤いマントに身を包み、足は義足の棒一本で立っていた。
おそらく、彼が洗礼を受けた内の1人なのだろう。
早くもゴンは目を付けられたのか。
試合はギドの一方的な駒の攻撃でポイントがどんどん取られていく。
気付けば9ポイントもとられ、あと1ポイントでゴンの負け。
『(ゴンは…最初から勝つ気がないのか)』
ゴンは今の時点で自分がどこまでやれるか試したいだけなのだろう。
それだけで身体を張ってまで試合に出るとは___
『ホント……ジンに似てるんだから』
ボソリと言った言葉は誰もいない部屋に響いて消えた。
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