短編集
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女のコって、華やかなものだったり、可愛らしいものが好きだよね。
私も好きだよ。
でも、きっと、
甘いキャンディとか、ピンクのリップとか、リボンのポーチとか、
それだけじゃ、飽きてくるってものでしょ?
ストーカー的思考>論理*love philter
「なんでテストって何回もあるんだろうね」
「……うん、」
ある日の放課後。
テスト期間中ということもあり、アレン先輩と一緒に帰る(ストーキングする)こともままならくなって、しばらく経った。
そんな状況に、軽く腹立たしがっている私は、なぜかこの日に限って熱く語ってしまった。
「正直テストというものに何の需要があるのかが分からないね。」
「ねぇ、レイ」
「だって、誰からも望まれていないのよ?
ヤツは。
作成するのも一苦労、問題解くのも一苦労、採点するのも一苦労なんて、なんの利点も無いじゃない。」
「レイってば」
「というかまず、"テスト"って呼び名が
腹立たしいわ。
おすまし顔でさ。テストってなんだよ、テストって。」
「アレン先輩きてるよ。」
(((しくったなコリャ。)))
「……は、はは。
アレン先輩じゃあないですかぁ。
どうしました!?寂しくて会いに来たとかっ?」
(((誤魔化しにも無理があるぞレイ……)))
好きな人の前であんな醜態を見せてしまったレイは、教室の扉にいるアレンに対し、ドキドキともう一種類のドキドキを感じていた。
彼女の引きつった笑いに、事情を知ってるクラスメイトたちは心をひとつにする。
「……そうだって言ったら?」
「え、」
思いもかけないアレンの告白。
引っ付き回るレイと、それを煩わしがっていたアレンの姿は、この学校内でも有名であった。
望みは薄いだろうとたかをくくっていた皆。
(((そんな、まさか……!!)))
一部始終を見ていたクラスメイトらの心は、またもやひとつに(略
「(嘘だろ、アレン先輩、正気か!?)」
「(ついにレイの恋が実るのか!?)」
「(ストーカーのかいがあったなぁ
レイ……______っ!!)」
何よりもレイの儚い恋を見守ってきた1-Aだからこそ、教室中は喜びオーラ満載であった。
ここで告白まで発展して、二人が結ばれれば大盛り上がり……!!
だが、こんな所で終わらせないのがレイだった。
「…………ソーダ?
ソーダって言ったら、って何ですか?」
\\ズコーーーッッ//
吉本顔負けのズッコケがクラス内に多発。
これには最早、笑うしかない。
「…………はあぁぁぁ。そうでした。
君はそういう人間だった……。」
「?……先輩、ソーダが何ですか!?」
「いや、なんでもないです…………。」
ため息をついて額に手をやったアレンに、皆も同情する。
ただひとりだけ、何も分からないようなレイ。
不思議そうな顔をするレイに、ちょっと怒ったようなアレンは
むにっ、
と頬を抓った。
「へ?あれんへんぱい……?」
「いっつも下らない事言うくせに、肝心なとき役に立たないのはこの口ですか……っ」
「はひ、いひゃいへふ…………」
ふと、そのときに香ったのは、
やはりというかレイのあの香り。
「!」
(まただ……。
なんか、この香り嗅ぐと、おかしくなる)
胸が変にドキドキしたり、レイのはにかんだ顔が浮かんでくるのだ。
これって、やっぱり_______。
「___ちょっと来て」
「わっ、えっ!?先輩……っ?」
がしっと掴まれた腕は、確かにアレン先輩の手の中にあった。
(うそうそうそ…………っ!!)
まるで一方通行だった筈なのに、なんで急にそんなことするんですか!?
心臓がもたなくて、頭がショートオーバーするレイと、気にせず教室を出てどこかに向かうアレン、
そして新たな展開に興奮するクラスメ(略
きっとこれは惚れ薬
(((どっちもどっちすぎる……)))
はやく くっついちゃえよ。
*