泣き虫DAYs

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「レロロ〜あいつら何がどうしてピンピンしてるレロ〜!?」





ロードを乗せて宙に留まる傘が、ぐにゃりぐにゃりと動いてる。



「え、何あの傘。傘として機能できるの?」

「いや今そういう事は本当にいいですからレイ」

「アレンくん、レイはいつもこういう性格だから……」



リナリーは苦笑いをして、それから上のロードを見た。



「…………アレンくん、あの子何?
劇場で……見かけた子よね?」

「「!」」



なんだ、あいつは既にリナリーたちと面識があったのか。

アレンとは別の意味で驚いてしまったレイだが、再び、楽しげに見下ろすロードをひと睨みした。



「アクマ?」



リナリーは殆ど意識が無かったから、彼女の詳しい話は聞いていない。

レイも、ただあいつは私を知ってるような様子を見せていることだけしか知らない。

さっき"ノア”などと言っていたが、関係あるのだろうか。



「……いえ

人間です」



アクマではない、と否定するアレン。
彼女は人間……。



「…………そう、」

「それにしては、引っ掛かることが幾つもあるねぇ」



楽観視してるようなレイの言動。

しかし、レイも実は内心暗い気持ちになっていた。










(アクマより、地位が高いのは確か)



これまでの奴らの行動でそれは一目瞭然である。

ややこしい事になってきた、とレイは思った。





(教団側か伯爵側か……私はどう見られるのだろう)





もし、ロードが黒の教団に<レイとは関わりがある>などと一言いうだけでも、私の立場はぐらつく可能性が高い。



今は、相手が何の意図を持って近寄ってきているのかを測って、最善の行動をすべきだ。




















ツー、と汗が滴り落ちる。

手足はアクマに襲われかけた時のように震え、

激しい動悸まで起き始めた。





ミランダは、初めてイノセンス発動したとき特有の体力の消耗を堪えていた。





慣れない負担に、体が拒絶反応を示している。

しかし、ここで踏ん張らない訳にはいかない。

ミランダが発動を解いたら、アレンの怪我が姿を現しリナリーは倒れ込んでしまうだろう。

唯一何のリスクもないレイであっても、ひとり戦い続けるのはきっと無理だ。





…………それに。





___ありがとう ミランダさん!___



___ミランダ、ありがとう!!___





せっかく、初めてお礼を言われたのに……














































「___A LL E N…………」



何もなかった空中に、筆体が現れる。



「アレン・ウォーカー______

<アクマの魂が見える奴>。」



ロードは唐突にアレンを呼んで、にや、と笑った。



「実は僕、お前のこと千年公から聞いてちょっと知ってるんだぁ。」



アレンは、それにちょっとだけ反応を示した。



「あんたアクマの魂救うためにエクソシストやってんでしょぉ?



______大好きな親に呪われちゃったから」








ロードはそんな事まで知っていたのかと、レイも驚いた。





___大好きな親に呪われた……___





アレンの思わぬ暗い過去を聞いてしまった。

少し気遣うようにちら、と彼を見たけど、ぐっと唇を噛み締めるだけでその表情は見えなかった。



そんなアレンを知ってか知らずか、そのまま続けるロード。





「だから僕、ちょっかい出すならお前って決めてたんだぁ」





急に、柔らかな笑みを浮かべたロード。

その急変ぶりに息を呑むが、





彼女はさっきまでの、容赦なく杭を体に打ち付ける残忍な少女のままであった。









「おいオマエ」



後ろに控えたアクマに話しかけるロード。

「ハイ、」

何の気なしにいつも通り返事をするアクマ。




















「_____________自爆しろ」
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