泣き虫DAYs

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賑やかな市場。

人同士が活気よく声を張り合い、通りがかった旅人たちに押し売りをしている。



インドまで来たのだから、なにか土産を買っていきたい。



レイはそんな心持ちでこのマイソールの都市まで来た。

カラフルな布が辺りに吊るされていて、その下に並んだたくさんの品物が目を引く。



楽しげな雰囲気に魅せられ、一つの店に入った。



しかし、



周りの人たちが、一気に緊張の面持ちになった。

がらりと変化した空気をレイも感じ取り、辺りの人の顔を見回すも、大勢が顔を反らした。



「……?」



数秒考えを巡らせた後、彼らが私を避ける理由が分かった。



自分は異端だからだ。



団服という、妙な出で立ちをしている上、私の髪色が目立ち過ぎている。
緑の瞳などとは、そう簡単に見かけるものではない。


ここらの地域では、ヴァチカンの名がそれほど有名でないのだろう。

出過ぎた真似をした、と反省したあと、私は彼らの平穏を乱さぬよう、くるりと踵を返して元の道へと戻った。












_お前が周りと違う時点で、馴染めはしない_
















「あれ、レイ様、
もう宜しいのですか?」



馬車の前方、馬を引く席で、サポーターであると名乗る男が不思議そうに見つめてくる。

それに返事をしながら、乗り込む。

馬車の中は豪勢で、テーブルには果物の盛られた籠まである。



(選ばれれば、それなりのしがらみも
あるっていうこと……)



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