泣き虫DAYs

□8
4ページ/5ページ










___私がダメな理由……___





「あ!不幸女ミランダだ!!」

「近寄ったら不幸が移るぞー!!」

「こんな人形壊してやる!」

「ぎゃははははっ!」





「…………っグス、マリーちゃん…………

今、直してあげる……………______」





何やっても上手にできないくせに、

やろうとするトコロ





「もう明日から来なくていいから」

「ま、待ってください、」

「こんな役立たずな奴とは思わなかったよ」





<ミランダ ミランダ
不幸の女 ミランダ♪

モテない 暗い 鈍臭い♪

今日も仕事探し?

どうせまたすぐクビさ〜♪>





もうやらないと決めたくせに、未練がましくまたやろうとするトコロ










マリーちゃんの首を縫い付けたとき、不器用で何度も指を怪我した。





仕事で失敗したのも、これで106回目。










_____どうせ何もできないなら





やらなきゃいいのにね_____








































(馬鹿よね…………_________)










ミランダの時計が大きな光をあげ、ミランダの周りを囲う。



「「……!!!」」



戦っていたレイも、それを見つめていたロードも、そして気を失いかけていたアレンも、

その光景に言葉を失った。










___……あら?何かしら……?___





___何かの存在を感じる___





ミランダは、暖かい力が自分を支えるのに気がついた。





振り返れば、そこには今まで大切にしてきた大事な時計が、何ともないように立っていたけれど。





___時計…………___





(イノセンス……?)





ミランダの危機を、この時計が救ってくれたのは、すぐに分かった。










もう1度力強い刻針の音が響き、時計は大きな時計盤の紋様へと姿を変えた。










3人のいる範囲まで光は包み込み、呆気にとらわれていたレイまで不思議な半円球にいた。





カチ、コチ、と時計の音は進み始める。





_____過去の時間へと。





「ミランダさん…………、」



「これは……!

イノセンスが発動した……?」





アレンの体から吸い出されていく過去の時間。

みるみるうちに無くなっていく怪我、数時間前までの元気な体へと遡っていったのだ。





カチ_______。





ひとつの音が鳴ると、既にアレンは無傷のまま起き上がった。





「!」





アレンは自分の手をまじまじと見つめ、ミランダは自分が発動したのに自分で驚いてるようだった。

そして、レイは_____。





「ぅわっ!?レイ!?」





アレンの体に勢いよく抱きつき、その温度を確かめた。



(……あったかい、生きてる……)



戦ってる間、ずっと気がかりだったのだ。

瀕死状態のアレンと、椅子に腰掛けたまま動かないリナリー。

自分が、遅れたせいだと分かっている。





だけど、ミランダが庇ってくれていたのをレイはちゃんと見た。





「ミランダ……!!!」

「わっ!レイちゃん……?」





2人に抱きついて、レイはようやく安心したような顔をした。





「良かった……っ!!!」





突然の抱擁にアレンは顔を赤らめ、ミランダも戸惑っていたようだったが、初めてみたレイの年相応の暖かさと小ささに、気付けば、頭を撫でていた。





「……よしっ!OK!」





ぱっ、と離れたレイの顔に、不安はもう無かった。

今度は、ふにゃりと笑って見せ、アレンとミランダは同時に頬を赤くした。





((可愛い……))



「やっぱり、ミランダは適合者だったね。

リナリーも、ここに来れば直るよ……!」





レイのいつも通りの声に、アレンもしっかりと頷いた。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ