泣き虫DAYs
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「…………え?」
今、何が起きた?
ミランダが、突然、本当に突然、ベッドに入った……______
「寝るんですか!?」
アレンが突っ込んでも、ミランダから反応はない。
のび太もビックリな早業である。
「え?今そういう雰囲気だった?」
「何か様子が変ね…………」
流石にこれはおかしい、とリナリーが呟いた時、異変が起きた。
「……っ!!!」
「アレンくん!!」
例の時計から、部屋中にたくさんの時計盤が浮かび上がっていた。
「な、なんだコレ……!?」
「まさか……
あの時計…………______?」
皆の視線の先、12時を指す両針を合図に、時計は突如鳴り出す。
ゴーーン………ゴーーーン………
すると、街全体が、部屋と同じくたくさんの時計盤に埋め尽くされていく。
時計の針が、急に逆戻りし始め、"今日の時間”を吸っていく。
「きゃっ……!」
「つかまって、リナリー!
レイ……っ!!」
時間と共に、体まで吸われそうな3人。
「……っ、……!私は、ダイジョブ、
だけど…………っ!!!」
ズズズズ…………ッッ
時間は、全て吸い込まれた。
__________コチン。
パアアアッと空が明るくなって、その時がおとずれた。
「!」
「朝ぁ〜!!?」
小鳥の囀りが遠くで聞こえる。
暖かい太陽の光が、"10月9日”のこの街を照らしていた。
次の瞬間、ムクっと起き上がったミランダが、呟く。
「あら……?私、いつの間にベッドに……」
その姿は実に可笑しくて、アレンとリナリーが目を見開いて茫然としている間、終始レイはカラカラと笑っていた。
「スゲー今のぉ。」
「ロード様、エクソシストを放っておいてよいのですか…………?」
ここにも、奇妙な朝を迎えた者がいた。
少女は煙突に登り、煌めく太陽を見上げる。
「いいんじゃん?
あいつらがイノセンスを手に入れるまではねぇ。」
少女の前には、まるで玩具と化したようなアクマが、ガタガタと怯えたように抱きすくめられていた。
「思わぬ収穫ってやつぅ?
きっと、イヴにもまた会える気がするんだよねぇ……」
心底ゲームを楽しむように、
可愛い玩具たちと遊ぶように、
少女はその瞳にひとつの光を煌めかせていた。
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