泣き虫DAYs

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その頃、ミランダと再会を果たしていたアレンたちは、彼女に詳しい事情を訊いていた。



「ねぇ助けて!助けてよぉ!
私このままじゃノイローゼになっちゃうぅ〜〜〜!!!

あなた昨日私を変なのから助けてくれたでしょ!

助けたならもっと助けてよーっ!!」


「うわわっ、怖いっ!」


「落ち着いてミス・ミランダ!
助けるからみんなで原因を探しましょう」





この街の異常に、唯一気付いていたというミス・ミランダ。

アレンに必死に助けを求め、目玉をカッと開いたまま凄い形相で迫ってきた。

それをリナリーは優しく宥める。



「原因ったって、気づいたらずっと10月9日になってたんだものぉ〜!」



滝のような涙を流しながら弁明するミランダは、落ち着く様子がない。

困り果てた2人は、心でレイにヘルプを求めた。





(何をやってるのレイ……!)

(遅いですよね……何だろ)



事件に巻き込まれたか、と心配の気持ちがあったが、今はこの女性を宥めることが先である。



「本当の10月9日に何かあったハズよ。心当たりはない?」



リナリーが彼女に問いかける。

その瞬間、アレンの左目が反応した。





どうやら、アクマの心配はこちらでもしなければいけなかったようだ。

店にいる客に視線を向けたアレンは、速やかにミランダの保護をするため、リナリーに家へ向かうよう言った。

ダークブーツが発動され、ミランダを抱えたリナリーが壁を破壊して飛び出る。



バン……ッッ!!!



大きな音が外を歩く人々に聞こえ、一時騒然となった。













ここにも、店の破壊音に驚く人がひとり。





「え、なに?」





ようやくこの店を聞き出して辿り着いたレイだった。










「……っ、アクマか!」



入口まで向かって、中を覗いたとき、戦闘するアレンの背と馴染み深いアクマの姿が見えた。























「_パングヴォイス_!!」

「!?」



音で攻撃するタイプのアクマが、アレンを襲う。

その瞬間キイィィンと頭が割れるような音が脳に響き、アレンは思わず頭を抱え込んだ。



「頭が……割れるっ……!!」



その背後から、また別のアクマが、



「_風切鎌_!!」



風を利用した技で切り刻もうと攻撃した。



「……っ!!」



突然のことに驚くアレン。

鋭い風が、彼の体に届こうとした。




















「……私と君、相性が良さそうだね」






ピ__________ン……………






その瞬間、奇妙な風が別方向からも吹いてきて、その力を相殺した。



「!!……レイッ!」



そこには、ようやく合流できた彼女の姿。

まだイノセンスの新しい形態に慣れていないアレンだけでは、レベル2のアクマは捌ききれなかっただろう。



その姿は、彼に深い安心を与えてくれた。



「ごめんアレン!ちょっと店の場所が分からなくて……」

「いや、グッドタイミングでしたよ……!」



レイに今まで助けられてきたアレンは、今回こそ彼女は守ってみせようと意気込む。



「あり……?新しいエクソシスト、増えた!」

「俺様の風切鎌……アイツ、風使うエクソシストか」

「コロス、コロス、皆殺し」








「できるものなら、どうぞ?」





___グローヴ、発動……___







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