泣き虫DAYs

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「へー……アレンってマリアンの弟子なんだ〜」

「レイは、師匠に会ったことあるんですか?」



何故だか、同い年なのにレイに対して敬語のまま、アレンは聞く。

それについては若干不満があるようなレイだったが、彼の癖みたいなものかと目を瞑り、室長室に向かいながら会話を交わした。



「うん。食えない男だよねぇ。
女なら誰でもいいんだから……」



むすっとして答えるレイ。
これは……師匠に何かされたか。



クロスの元で修行を積んだアレンだから分かるが、レイの言葉の前半に賛同し、後半には異論を持った。



彼は、<女なら誰でもいい>訳ではない。



口には出さなかったけれど、クロスがちょっかいを出すのは、どれも<イイ女>のみ。

だが彼女にそんなことを伝えたとしても、何となく一笑に付される気がして、アレンは黙った。










「……あっ、アレンくん!
レイは見つかった?」

「リナリー、」





リナリーの声がして振り返ると、小走りでこちらに向かってくる彼女の姿があった。



「私ならここにおるぞよ」

「レイ!もうっ。いくら外出許可が出たからって、すぐあんな木に登るのは危険よ!」



レイを見つけると、リナリーはちょっと怒ったように頬を膨らませ、それからふっ、と笑った。



「二人とも、仲良くなったみたいで良かったわ。」



雰囲気を感じ取ったのか、二人が話していたことを嬉しそうに笑うリナリー。



「任務は、この3人でだって。」

「あれ?外出許可が出たばっかで任務?あれれ?」



レイを華麗にスルーし、リナリーが歩き始めた。



(コムイさん……後でぶちのめす)



せっかく休暇が訪れていたのに、まるで鬼のような使いようである。



「まあ、重症負って病院抜け出すレイだから大丈夫って見解なんじゃないですか?」



ニコニコと笑ってはいるが、鋭い指摘をするアレンにレイは「う"っ」と言葉を詰まらせて以降黙った。



レイは思った。
たぶん、アレンは敬語を使う紳士的な態度とは裏腹に、きっと毒舌少年なんだと……。



それに、数歩先を歩いていたリナリーも振り返ってくすくす笑う。





























リナリーと合流して、共に室長室に辿り着いた頃、アレンはこの不思議な少女を気にかけ始めるようになった。





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