泣き虫DAYs
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「……うん〜……………あれ?
ここは……」
「アレン!目が覚めたか!!」
エレベーターの上、麻酔にかけられていたアレンが、その重たい瞼をようやく開けた。
周りには、明るい顔の皆。
ティムキャンピーも嬉しげに飛び交っている。
慌てて起き上がり、辺りを見回すと、
「……うわっ!!!コムリンが……!!!」
眠る前まで、自分が命の危険を感じていた例のロボットが佇んでいた。
しかし、よく見るとその胴体は何ミリも動かない。
状況が分からず、説明を求めると、
何でも無線で話していたレイが来て、アレン&リナリーの救出、コムリンの故障(?)、只今の破壊活動と流れたらしい。
「ああっ、そういわれれば____」
深い眠りに着く寸前、足を捕らえていたコムリンに不意に落とされ、何か暖かいものに受け止められた記憶がある。
そして、それが発した言葉も……。
「危機一髪だったね、白髪くん。」
(しっ、白髪くんって……)
少なからずショックを受けるも、そこは命の恩人。感謝した。
コムリンをものともしないとは、一体どんな女性だ……。
無線で聞いた、あの声通りの、あどけなくてお茶目な方なのか……。
ちょっとした興味本位で、
盛り上がって「壊せ!」を連発する皆の間から、フロアを覗いた。
(うわ、綺麗な髪……)
アレン側からは後ろ姿しか見えず、その美しい金糸のような髪が、無造作に団服へしまわれているのが分かった。
隠されているのに思わずもったいない、と感じるも、戦闘には邪魔だと言うことか。
徐々にコムリンへ近付いていく彼女。
すると、手を動かし何かの動作をした途端、彼女の体は羽根のように空を飛んだ。
「あれはな、レイのイノセンス、操作手套_グローヴ_だ。
空気を自在に操れるし、第二形態ともなれば<浄天ノ紐>っつー強靭な糸まで使える。」
今がその第二形態なのか、指先で生成されたらしい薄赤のビームのような物が、一瞬でコムリンを捕らえた。
「いけぇ〜〜〜!捻り潰せレイ!」
皆の声に呼応するかのように、レイは空中から紐_ニール_を交差させ、破壊しようと力を込めた瞬間……
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