泣き虫DAYs
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「よしっ!もう大丈夫……だと思う」
「急いでアレンとリナリーをこっちに……」
「ァァァァァァ……ボクのコムリンンンンンンン……!!」
「うわっ、室長暴れないで!」
変わらず、停止したままのロボは、コムリンというらしい。
通りでコムイさんに似てると……。
1人で納得していれば、次々と指示が出た。
「リナリー……あっ、いた。」
先程の壁まで行って、恐らく眠らされたリナリーも抱える。
計2人分だが、ここは強がりで、
何とかエレベーターの方まで……。
「……で、何であんなロボ__コムリンでしたっけ__が?」
こちらまで出迎えて、少年を受け取ったジョニーが答えた。
「あはは……室長のちょっとした親切心が仇となったっていうか……」
「まあ結果大きなお世話になったけどな」
「今回もコムイさん原因でしたか。
よくやりますよね、あの人も。」
「酷い!酷いよレイちゃん!!!」
コムリンを尽く擁護していたコムイさんも、今やお縄についているので、一安心である。
さっきまでの大騒動が静まり、
まるで和やかな空気になった。
これも、緊張の緩みがそうさせたのだ。
無事2人の避難を済ませた所で、今度こそあのコムリンを壊すべく、フロアに降り立った。
すっかり勝気になった一同が、背後で「壊せ」コールをやっている。
「グローヴ第二形態、発動」
レイの声に反応したイノセンスが、淡緑色の光となって両手に溶け込む。
手の甲に刻まれる十字と、両親指に嵌められた銀のリングが、このグローヴの第二形態状態。
これで攻撃用の<浄天ノ紐>が使えるようになった。
まだ親指の骨折は癒えてなく、イノセンスの反動がきそうだが、どうせあんなロボット1体破壊するだけだ。
レイの透き通った浅緑の瞳が、真っ直ぐコムリンを捕らえた。
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