泣き虫DAYs
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ドガーーーン、ガシャ、ガシャ、パリーーーーーン!!!
遠くで物音が聞こえるけど、何だろう。
気にはなるけど、面倒事には巻き込まれたくない。
そう思いつつ、室長室に足を向けるも、
「……コムイさんの声も聞こえるんだけど……」
あの室長は、やるべき事もやらず何遊んでんだ。
しかも変な砲弾の音まで。
もしや、アクマの侵入でもあったのだろうか。
そうとなれば面倒くさがってる場合じゃない。
色んな騒音がする吹き抜けまで、グローヴを発動させひとっ飛びした。
<____……えー、こちらレイ。
応答セヨ!>
コムリン撃退に大苦戦する一同。
室長の擁護もあり、なかなか簡単に破壊させてくれない。
いい加減この状況に絶望を感じてきた化学班に、1匹のゴーレムが近付き、
ここに"本当の”一筋の光が兆した。
「……!!! おい皆!!!
レイだ!!!」
リーバーがいち早く声に気付き、目に輝きを放ちながら叫んだ。
アレンはコムリンと苦戦しており、横目でエレベーターを見ると、皆がざわついていた。
(レイって、あの……?)
ゴーレムから聞こえる声は、想像していたのとは違い、まだまだ幼い少女の声だった。
あどけない言葉に、この場とのギャップを感じて微笑ましい。
……今、死にかけてなければ。
「おいっ、聞こえるかレイ!?
今、吹き抜けにいる!至急来てくれ!!」
リーバーさんたちの必死の呼びかけは伝わったらしく、
「よっしゃーー!!レイが来れば勝ったぜ!!」
さっきまでの深刻な事態からは免れそうな雰囲気だ。
アレンが危機なのは変わってないが。
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