べっどるーむ
□神の力
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急いで玄関に戻り、しんぺい神に詰め寄る。
「これはどういうことですか?何か私にやりましたか?催眠術とか。錯覚麻痺か幻覚か見せてます?」
否。実際姿だけでなく、声も男性そのものの声だが信じ難かった。
「落ち着いてよ。性別を男に変えただけだから変なことはしてないよ。」
非現実な出来事に混乱を隠せない私を宥めるように言うしんぺい神。
しかし性別を変えることを簡単なことの様に言う彼に多少の苛立ちも覚えていた。
「戻してください。」
「嫌だ。」
食い気味で私の言葉を拒否するしんぺい神。
突然現れて突然非現実的な体験をして、唐突なことばかりをしてくるしんぺい神は直ぐ笑顔になりながら口を開く。
「NamEって女の子というよりは男らしい所あるみたいだし、顔も男だったらモテるような顔立ちだから男になったほうが正解だと思うしさ」
私の性格は確かに女の子とはいえないくらいだとは他称でよく言われていた。
しかし何故私の性格もこの短時間でわかるのだろうか。さっきも名前教えてもないのに呼んでいたし。
ここまでいくと、彼はストーカーなのではないかと思ってしまう。
「ああ、勘違いしないでね。俺ただの神だからなんでもわかるってだけだよ。」
なにかを悟ったのか私にまた意味のわからないことを言い出す自称神。
「そんな、ゲームでも漫画でもないのに神なんて納得いきませんよ。」
「いや、本当だって!神様って言って複数いるし、分類されてるしね。ちなみに俺は同性愛の神ね。」
彼は本当の神と主張していた。
信じたくはないが、今起きていることがそれを信じざえる負えない。
これが夢だというのであれば早く目覚めて欲しいものだが。
「私を、男にした理由はなんですか?」
問題はどうして男にしたのかである。
なにかしら理由があって私を男にしたのか。それが気になっていた。
「男でいたほうが似合うから?というか、俺的NamEが男になったら思ったとおりタイプだったし。とりあえずケツ向けて欲しいです。」
つまりは私欲が働いたと言った方がいいのか。しんぺい神自身が同性愛者であり男になった私がタイプだったから、なんて自分に都合の良いように性別を動かしていいのだろうか。
「嫌です。では。」
肉体的疲労の限界が来ている上に初対面の男に性別を変えられたのだ。
早く休みたいという気持ちが上へ行ったので扉を閉め、ベッドへダイブし、眠りについた。