べっどるーむ
□戦争ゲーム1
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「おはよう」
この状態は何だ。
私はいつものように目覚ましによって目覚める。
しかし目覚ましによって早く起きる理由はないのを思い出すと二度寝の体制に入る。
寝返りをうとうと体を捻らせると、何かにぶつかった。
それを確認しようとそちらへ目をむけると、しんぺい神が眠っていたのだ。
そして薄く目を開いたと思えば、ふにゃりと笑い、挨拶をされた。
不法侵入によって訴えられるな。
とりあえずしんぺい神ことホモ神をベッドから蹴り落とす。
汚い声を上げながら転げ落ちるホモ神をそのまま無視し、顔を洗うために洗面台へと私は足を運んだ。
鏡を見ると、男の姿の私が映る。
それだけでため息がこぼれた。
私はホモ神によって男に変えられた女である。
元に戻せと言っても頑なに拒否される。
結局押し切られ、男としているわけなんだけどね。
顔を洗い終わり、リビングへ戻ると、ホモの神がまだ居座っていた。
更には我が家のようにくつろぎながら私に「おかえり」と言った。
とりあえず彼の正面に座り、本題へ入る。
「なんで居るんですか。玄関の鍵閉まっていたでしょう?」
よくぞ聞いてくれたとばかりに、くつろいでいた体勢を正し、癖のように笑顔を向けた。
「鍵は管理室から借りたよ。あそこ鍵開いたまま放置されること多いから。」
まさかの管理部屋の不法侵入までしていたとは。
しかも何度も不法侵入をしているように慣れた口調で言っている。こいつは神ではなくて犯罪者だ。通報してもいいくらいだ。
「そんなことよりさ、マンションの他の住民知らないでしょ?」
言われてみれば…。ここに引っ越してきてから出会ったのはホモ神のみだ。
しかし、それは好都合だったのかもしれない。女のままで出会ってたら厄介なことになっていただろう。
「他の人には会ってないけど。それがどうしたの?」
「いや、ここのマンション俺の知り合いばっかだから紹介兼ねて一緒に行こうかな、と。」