豪巧の部屋

□丸かぶり(R-18)
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丸かぶり





 来たる期末試験に向けて、勉強をしていたはずだった。

 それがなぜ、こんなことに。

 室内の物音は時折聞こえる詰まった息遣いと小さな水音。原因は豪が目の前に抱え込んだ身体にあった。

「ご、う……ふ、まてよ、ん」
「ん」
「勉強は」
「んー、後でええ」

 まだ何か言いたげな口を口で塞いで黙らせて、舌先を絡め引き寄せた。ちょっと息抜きに、と口づけただけなのにこうも簡単に流されてしまう自分に呆れるほどだけれど、一度触れてしまうともう駄目だった。巧も巧で乗り気じゃないわけではないらしく、背中に腕を回してくるものだから我慢が利かないのは仕方ないことだろうと言い訳させて貰うことにする。

 服の前ボタンをぷちぷちと外し色白な胸元に手を滑らせれば、キスに呑まれた中で巧が微かな喘ぎ声を漏らす。

「声出したらおえんて……」

 下には母の節子が居る。勉強中、と言ってあるから豪の部屋まで上がってくることはないだろうが、気を付けなくていいわけではない。

「ならやめろ、って、ばか……ぁ」

 胸の中央で立ち上がった尖りを摘まむと身を捩らせる巧。その首筋に唇を落として吸い上げ紅い華を咲かせてやった。

「く、そ、も……豪!」

 強い力で引き剥がされて、我に返った。機嫌を損ねてしまうのはまずい。

「う、すまん、巧……って、わ!」

 豪の身体を思い切り後ろへ押し倒した巧が、はだけた胸元のままのし掛かってくる。

「そんなに欲求不満なら、付き合ってやるよ、豪」

 にやり、とその口元に良くないタイプの笑みがよぎって豪は顔を引き攣らせた。

「……たくみ?」
「今日は、何の日だっけ?豪ちゃん」
「えっと、節分、じゃな」

 そう答えると、巧は頭上で笑みを深めた。

「節分には、恵方巻を食べると縁起が良いって東谷が言ってたの、覚えてるよな?」

 巧の長い指が服の上から豪の胸を腹を伝っておりてきて、ズボンのチャックに手をかける。なんとなく先の展開が読めた気がした。

「おい、巧」
「声出したらおえんぞ、豪」

 新田の訛りをわざとらしく真似してからかうように言った巧は身を屈めた。

「巧、待てって……っ!」

 ズボンごと下着をずり下ろすと、キスのせいで緩く立ち上がっていたそこが露わになって蛍光灯の白い明かりの下に晒される。

「豪ちゃんの恵方巻、元気じゃん」
「……言い方どうにかならんのかよ」
「なんだよ、先に仕掛けてきたのはそっちだろ」

 いただきます、と口を大きく開いたかと思うと巧は一息に豪のものを飲み込み、直接触れるぬめりと温かさに豪はくらりと眩暈を覚えた。うめき声を上げそうになるのを堪えていると、屈み込んだ体勢で巧が顔を上げ挑発的に笑った。手で扱きあげながら、ざらついた舌が這い回る直の刺激もすごいが視覚からの色気も半端ない。裏筋を舐め上げた後で先端を咥えられ開口部をくすぐる動きに息が上がる。

「は……っ、たく、みっ」

 言うことを聞かない身体が腰を緩く突き上げ、巧が喉の奥で呻いた。その振動ですらもはや快感としてしか受け取れない。張ったところを唇で引っ掛けるようにして出し入れされて頭の奥が痺れた。ぐ、と腹部に圧力がかかって次の瞬間には熱を放出してしまう。

「く……ふ、は……巧、すまん、えっと、ティッシュ」

 横のティッシュケースへと手を伸ばす。ずるりと口元から抜けた性器と唇の間で半透明の濁った糸を引きながら、巧は上体を起こし豪が差し出すティッシュをちらりと見やっただけだった。その喉元がごくりと上下に動き、まず、としかめられる顔に豪は急に頬が火照った気がした。

「巧!」
「ごちそうさまでした、豪」

 これで今年も縁起良いかもな、なんてことをうそぶく巧の手を取って引き寄せて、今度は自分が巧を床に押し付けた。

「おい、何して」
「巧だけ縁起良いの、ずるいじゃろ」

 形だけの抵抗は無視をして、問答無用で下を脱がせる。もちろん『恵方巻ごっこ』だけですむわけがない2人であった。








今日は節分ですね!ということで短いですが恵方巻(意味深)ネタです。2/1の豪巧の日のお祝いも兼ねてえっちなことさせてみました。このあとナニをしたかはご想像にお任せします。
恵方巻食べる度にこの日のこと思い出していれば良いと思います豪巧……(^q^)

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