青エク/治癒姫

□魔力の味
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目が覚めれば暖かい温もりに包まれ、紅茶とお菓子の匂いがした

目を開ければ胸板があり、そういえば昨日はメフィストのベッドで意識が途切れたと思い出した彩乃は、身動き一つしないながらも内心悶えていた

この感じ二回目だわ…
なんで一緒に寝てるのしかもしっかり抱いてるしなんでだよこの人幾つだよってかいい匂いするんだけどこの人体温低いよってか人じゃなくて悪魔だったわでもそういう問題じゃなくてうぐぐぐぐ…

混乱していた彩乃だったがそこでふとある事を思い出した

この人、睡眠時間一時間のはずだ
絶対起きてるだろ…


『…メフィストさん、おはようございます
起きてらっしゃると思うんですが、腕を放して頂けますでしょうか?』

「おやおやつれないですねぇ
甘く囁き合った仲ですのに☆」


そう言いつつも腕を放してくれたメフィストに彩乃は上体を起こした


『昨夜はご迷惑をお掛けしました』

「いえいえ
お礼は頂くので気にしないで下さい」

『…』


何を要求されるのか不安になったが、どうせ礼など関係無しに言われる事なんだろうと彩乃は諦め、メフィストのベッドから降りた
着替える為に自室に戻る彩乃は鏡の前で目が腫れていない事に気付いた

あれだけ泣いたのに少し充血している程度で腫れていない
これも彼から魔力を喰らったお陰か、一緒に寝ていて接触していたから回復したのか
どちらにせよメフィストさんの言う“悪魔喰い”の能力のおかげだろう

目が腫れてないのはいい事だが、その理由が悪魔喰ったからだと分かっているため、複雑な気分になる彩乃
小さく溜め息を吐いて、気分を変えようと冷たい水で顔を洗った







2017/05/09

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