青エク/治癒姫
□病弱な儚げ美人は…
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「兄上!
どういうおつもりですか!?
あれでは彼女が死んでしまう!!」
「分かっています
申し訳ない事をしました」
己の非を認め、本当に申し訳なさそうに言うルシフェルにメフィストは深く溜め息を吐いた
あんな父のせいで苦労が絶えない長男は優秀でしっかり者ではあるが、変な所で子供っぽく世間知らずの天然だ
そんな兄の尻拭いをするのは自分で、普段遊び呆けていた分ぐらいは兄に何かして当たり前かもしれないが、価値観が違い過ぎて手に負えない
「サマエル
あの子はとても良い匂いがしました
私に下さい」
「…兄上に差し上げたらあの子は死んでしまいます
それに治療したのですから充分でしょう」
「嫌です
私に譲って下さい
譲って頂けたらばあの子が死んでしまってもあなたに手を貸します」
思わぬ申し出にメフィストは目を見開くが、首を縦に降ることはなかった
要求されるのが彩乃でなければ即答で了承して差し出すのだが、幾ら合理主義のメフィストでも彩乃だけは譲れない
一見無表情だが、少し不機嫌そうに尻尾を揺らすルシフェルにメフィストは肝を冷やす
いつもなら欲しいと言えばくれるのに…
そんなにあの娘は特別ということか
治して貰ったのは自分な為、とりあえず今回は引こうとルシフェルはまた来ますと言ってさっさと帰っていった
駄々をこねられたらどうしようと内心焦っていたメフィストは、大人しく帰ったルシフェルにホッと一安心する
どう足掻いたって序列は覆せない悪魔の世界で、ルシフェルに敵うのは今の所は魔神のみ
実力行使されなくて良かったと思いながら、メフィストは戻って来ない弟と今日一番の功労者である彩乃の様子を見るためと回復させる為の魔力を補給しに彩乃の部屋に向かうのだった
管理人へのやる気スイッチ
2017/05/10
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