BOOK(ヒロアカ)
□Vol.5 根本は安心なり
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……あれ
頭が崩れてない……よ!もしかして、四本指で撫でてるのか!なんと!生かしてくれるのか!
安心して気が緩んだのに気づいたのか手が離れた
「あんた、もう少し危機感とか覚えた方がいいよ」
『どこに危機が……?』
「俺」
『……』
「……」
ん?
いや、頭撫でられた時じゃねーのかよ。なんだよ「俺」って。不覚にも敵なのに可愛いとか思っちゃったじゃないか!
「ヘーイ!そこの雄英生!っと、ラストナンバーの女子リスナー!」
『先生!つーか、ししょーノエルです!長ぇですって!』
「ソーリーソーリー!遅刻するぜ!早く来な!」
報道陣を退かしながら手を振る先生
ヒューッ、かっこいいぜ!プレゼント・マイク先生!
「本当に危機感ないね、"ノエル"」
『…!』
歩みを止めて、振り返る
「はは…」
『お互い様ですよ、死柄木弔』
一瞬目を見開いたが、すぐにスッと細くなり、ニィと笑った
そのまま何故か手を振るので、私にもお兄ちゃんがいたらこんなんなのかなと思い、手を振り返した。敵なお兄ちゃんとか嫌だけども
「……やっぱり、変な奴」
私もお兄ちゃん欲しかったなぁ
・
・
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「昨日の戦闘訓練お疲れ。VTRと成績見させてもらった」
あ゛ーーーー…朝から疲れた。寝坊っていい事ねぇ……
「んで、ししょー」
『なぬ』
伏せていた身体を起こすと、相澤先生がこちらを見ていた
「お前、怪我は控えろ。オールマイトから聞いた。"痛み"をもっと怖がれ」
『…???痛いのめちゃくちゃ嫌いなんですけど』
「お前の感じ方は人と違いすぎる。キツイ言い方をするが、お前は異常だ。人を心配させまいと笑うのは結構。だが、今は先生や友達の前では「平気」で居るな。いいな」
『……!』
「(相澤先生も、気づいてたんだ……ノエルちゃんのこと…僕も心配だったんだよなぁ…)」
先生、の…言いたいことは……分かる、ような…分からない……ような
チラリと出久君と目が合い、お互い苦笑いした
「(正義感の強いノエルちゃんにとって、難しい問題かも)」
出久君、これから大変そうだなぁ