BOOK(ヒロアカ)
□Vol.4 いざ、尋常に勝負!
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『きっと、今ので皆凍らせたと思ってる。隙をついて、やって見る!』
「…すまない」
『後、一芝居付き合ってね!』
「お、う?」
悔しそうな尾白君の声に唇を噛み締めた。轟君相手に、何が出来る?
落ち着け、落ち着け……
一番最初の奇襲は、左を狙う。炎を使わないから警戒するのは今は右だけ
「っ、来るぞ」
パキッ、パキッ…と足音が近づいてきて、止まった
『尾白君!』
「っ!…すまね、ぇ…"俺にも"、氷が…」
「動いてもいいけど、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねぇぞ」
また、パキパキと氷が割る音が近づいて来る
今だ!!!!
左足をぐっと踏み込んで、右足を横に思いっきり振る
核兵器を掴んで遠心力を利用して、目を見開いた轟君の左腕を蹴った
『なんて、ねっ!』
受け身を取れなかった轟君は、ズダッと床に手をついた
『よっし!』
「ちっ……」
『…だせぇな、ヒーロー!』
「…!」
ヒーローにとって敵が敵なら、また逆も然り。敵にとっても、ヒーローは敵なんだ!
『ヒーローは、排除!!!』
さっきの飯田君みたいには出来ないけど、今の轟君は私にとっては敵と思えば…なんとか、いける!
屋内で、大きな力は要らない。先ずは、味覚をじわじわと削って、力にする!次は、片方の聴力、片方の視力と反射する元を作る
先ずは、味覚をちょっと!!!
警棒をヒュンと伸ばして、轟君に向かって振り下ろす
間一髪のところで避けられた。しかし、床に張っていた氷がバキバキ粉砕した
止まってる暇はない…!
直ぐに、避けた轟君に向かって警棒を横に降る。ガシッと右手で掴まれてハッとした
「惜しいな」
『っ!』
一瞬で手首まで氷が張って、目を見開いた。早すぎて、見えなかった
そのまま、氷の勢いで吹き飛ばされて、壁にぶつかった
『かはっ……!』
もぅ…っ、相手女子なんだからさぁ……!!!轟君、もしかして、今まで煩かったの倍にして返そうとしてるの、かな!!!
残りの味覚全部使って……!
『反射!!!!』
床に警棒をガンッと当てると、轟君に向かって氷が勢いよく砕けて、私の手と警棒を覆っていた氷も砕け散った