BOOK(ヒロアカ)
□Vol.3 小さな壁
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あ、お茶子ちゃん来たー。いいなぁ、私も話したい
「あの!」
『っ、』
ぐりんっと振り返ったのは前の席の八百万さんだった。危ねぇ、ポニーテールが顔に当たるかと思った
それを見ていたのか右前の轟君は、何か言いたげな顔をしていた
「私、八百万百と申します。前後の席同士仲良くして下さると嬉しいですわ。ししょーさん」
『ん、百ちゃんね!こちらこそー。後、出来れば名前で呼んで?』
すっと手を握ってぶんぶんと振り、ニッと笑った。お友達たくさん出来てるー!!!嬉しいなぁ
「ノエル、さん…!」
『あはは、照れてるのー?可愛いなぁ』
「か、かわっ!?」
「(あああああああノエルちゃん自分の格好思い出してぇええ!!ナンパだよおおおおおそれええええ!!!!!)」
あー!!!可愛い!!!!!!
ニマニマと百ちゃんを見てると、教室の前方がざわつき始めた
『ん…?』
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
『何か、ホームレスみたいな人が来たね!』
「え、ええ…(ホームレス?)担任と仰ってましたわ」
髪の毛思ったよりもはもはしてる。目とか死んでるし…この人もプロヒーローか
「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」
寝巻きの中から体操服を引っ張り出した相澤先生は、更衣室の場所を伝えるとさっさと出て行ってしまった
準備とかあるのかな?
「おい!えーと、あー…ししょー!だったか?」
『呼んだ?』
振り向くと、切島と上鳴が怪訝な顔で私を見ていた
「呼んだ?じゃなくて。男子更衣室あっちだぞ?」
「そっちは女子だぜ?」
『……う、ん?』
三人で首を傾げると言う何とも変な図
「ダセェ」
横を通り抜ける際に爆豪に鼻で笑われた
「ノエルちゃん、ノエルちゃん!制服!」
『出久君。あー、なるほど』
くいくいと袖を引っ張る出久君に納得
『えへへ、こんなんだけど一応女子なわけです。ごめんね、紛らわしくて』
「「「女子ぃいいいいい!!!!!?」」」
「わぁ!女子なの!?私芦戸三奈!女子なら納得だよ、天然タラシが来たのかと思ったー!」
「蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで。女子が増えて嬉しいわ」
「へえ、つか何で男子制服?あ、私は耳郎響香」
わいわいと集まってくる女子のクラスメイト。何だか嬉しくて笑顔になった
ー
「は?あいつ本当に女子かよ!?嘘なんじゃねーの!?」
「あれか!女子にチヤホヤされたいあれか!」
「ずりぃ!俺もあそこに混ざりてぇ!」
上から切島、上鳴、峰田が言う中で、緑谷は苦笑いしながら説明した
「え、えーと、ノエルちゃんは、本当に女の子だよ?制服の申請で男子の欄に間違えて黒丸しちゃったみたいなんだ」
「緑谷君は、彼女の友達なのか?」
「うん、マンションが一緒なんだ」
「…」