BOOK(ヒロアカ)
□Vol.4 いざ、尋常に勝負!
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「おいてめぇ、デクの何だ」
『……』
放課の時間…何故か爆豪君が私の前に立って睨みつけてきた。目をぱちぱちと瞬かせる間に、何が起こったのかを必死で整理した
これは、俗に言う…カツアゲか!!!!
「無視かよ、ナメてんのか?」
『お金は持ってません!!!』
「……は?」
『てゆーか、財布家に忘れたんで勘弁してください!!!』
「お、い?!」
こそこそと雄英生が私たちを見て「何あれカツアゲ?」とか話している。よしよし、隙を見て逃げるぞ。うけけけ
『ほっ、他のことなら出来る限り何でもします!』
「……てめぇ」
『だから殴らないでくだっむぐっ!?』
言葉が出ないと思ったら、爆豪君に片手で口を抑えられていた。爆豪君は、頬をピクピクと引き攣らせながらニッコリと笑った
「喋るな、クソが。わざとだろ………こっち来い」
ひぃぃぃぃぃ!バレてる!!!!後、最後の言葉声低すぎて震えが止まらない!アイアムマナーモーーーーーーードッ!
ギリギリと私の腕を掴みながらズンズンと歩く爆豪君。いったい何処に向かってるんだろう
『ぁっ、い、出久君!』
「あ゛?デク?」
かかったーーー!!!
手が緩んだ隙にぐいっと振りほどいて、全速力で駆け出した。放課時間と言うだけあって、人が多い。おかげで、直ぐには捕まらずに済みそうだ
自分のクラスの教室に戻ってきてしまったが、何処か隠れるところは……
『……あ』
「…?」
轟君!いい所に!
何故まだ帰っていないのかは知らないが、読書中だったのは謝る、後でな。んでもって、助けてくれ
『か、匿って下さい!』
「は…誰から」
轟君の横にしゃがみ込んで、シィーと人差し指を口に当てた。怪訝そうな顔だが、すぐに分かるよ
バンッと乱暴に開いたドアを、轟君は見てから「あー」と小さな声で言った
「ちっ……おい、ここに……ぁー…女男来なかったか」
女男って…
「女男……ししょーの事か?」
『っ、!?』
まさか言うつもりじゃ…!そ、そりゃあ煩くされたら私だってイラッと来るけど…まとめて追い出そうと言う算段か!
「ししょー?……確か、そんなんだった気がする」
おい
「ふーん…」
後、轟君。楽しそうな顔をするんじゃない